ドイツ観光局「ジャーマンブランドアワード2021」で2つの賞を受賞
「ジャーマンブランドアワード」は、2016年に民間財団のデザイン委員会が創設したブランド運用に対する業界内の賞。60を超えるカテゴリーが設けられている。今回ドイツ観光局が獲得したのは、「卓越したブランド戦略とブランド創生・ブランドコミュニケーション・ソーシャルメディア」部門。同局が昨年春からグローバルに展開してきた共感キャンペーン「#DiscoverGermanyFromHome」、およびARを駆使した「宮殿、公園、庭園(Schlösser, Parks & Gärten)」で特別賞に選出された。
#DiscoverGermanyFromHome
わずか数週間で世界中の観光客の流れを止めてしまった新型コロナウイルス感染症(Covid-19)拡大の波。これによりドイツ観光局が長期的に計画していたマーケティング活動やマーケティングキャンペーンは、変更を余儀なくされた。ドイツ観光局は「今の我々に課せられた課題は、最新状況を正しく伝え、顧客との対話を通じて『観光の国ドイツ』というイメージを保持すること」と考え、2020年3月に始まったロックダウン期間中も40を超える世界中のソーシャルメディアチャンネルを通じ、デジタル共感キャンペーン #DiscoverGermanyFromHome にすぐさま着手し、インスピレーションを喚起しつつ、情感に訴えかける情報をインターアクティブに配信した。
この #DiscoverGermanyFromHome は、2020年末までにソーシャルメディアチャンネルで2億9600万回再生。マイクロサイトでも6600万回再生され、インスタエンゲージメント率も14.6%に達している。同キャンペーンに対するユーザーのセンチメントも94.4%がポジティブという結果を得た。
日本では、同キャンペーンを2020年3月30日から2021年5月31日まで主にツイッター上で展開。2020年末までには257ツイートをオーガニックに発信し、延べ2020万インプレッション、141万エンゲージメントの実績を残す成功を収めている。
ARを駆使した「宮殿、公園、庭園」
「観光の国ドイツ」の歴史文化の至宝を、新たな次元で体験できるのが拡張現実ARを駆使した「宮殿、公園、庭園」。元来、HoloLens用の複合現実用に計画されたものを拡張現実にバージョンアップし、Facebook Spark AR拡張現実で大成功を収めている。
2019年11月にノイシュヴァンシュタイン城とホーエンツォレルン城、および「サンスーシー城が「冬のワンダーランド」として英国、アメリカ、ポーランド、イタリア、香港、中国、スカンディナビア諸国でFacebookに登場した。
2020年の初頭には、そこにアウグストゥス城、ヘレンハウゼン庭園、デッサウ庭園、ヴェルリッツ城が加わり、さらには「春の目覚めと夏の暖かさ」を告げる観光スポットが、バーチャル体験できるようになっている。
ユーザーは86万人。閲覧回数は、2020年だけで2690万回を記録している。
今回のこの栄えある賞を受賞したことを受け、ドイツ観光局CEOのペトラ・へードルファー氏は、「ここまでハイレベルな賞を受賞できたことは、コロナ禍において『観光の国ドイツ』というブラントの発信力を向上させ、市場プロフィールを強化させるのにデジタルトランスフォーメーションへの取り組みとそのイノベーション力がいかに効果的なものであるのかを如実に物語っている」と述べている。
また「我々の活動がここまで評価されたことは、とても誇らしいことである。今回の受賞は、訪独外国人観光の復興とコロナ後のデジタルマーケティングツールの活用という我々の戦略的アプローチにとってまたとない追い風になっている」と喜びのコメントを発表している。