2017年はモンドリアンと「デ・スタイル」の100周年
19世紀にオランダで生まれた「デ・スタイル(De Stijl)」が100周年を迎える2017年、ユトレヒトをはじめオランダ各地では「モンドリアンからダッチ・デザインへ」をテーマに掲げた企画展やイベントが開催され、アートとデザインに興味のある人にとってオランダは、益々目が離せない注目の一年となる。
デ・スタイルとは
デ・スタイルは、1917年にオランダで創刊され1928年まで続いた雑誌「デ・スタイル」を中心に行われた芸術運動。雑誌発刊当時から現在に至るまで、美術、デザイン、建築などの分野で強い影響を誇っている。
その中心となったのが、画家のピエト・モンドリアンをはじめ、建築家でデザイナーのヘリット・リートフェルト、自身芸術家でありながら、雑誌の発行も担当したテオ・ファン・ドゥースブルフ、ビジュアル・アーティストのバート・ファン・デル・レックなど。彼らはいずれも、ユトレヒトとその近郊のアメルスフォールトで生まれている。
デ・スタイル100周年に訪れたいスポット
このデ・スタイル運動で生まれた作品を統括的に鑑賞できるのが「ハーグ市美術館(Gemeentemuseum Den Haag)」。100周年を記念する2017年、同館ハーグではこれまでより拡大した750平方メートルのスペースを使い、美術館が所蔵するモンドリアン・コレクションを中心に、デ・スタイル運動によって生まれた作品が展示される。
また、ユトレヒトにあるリートフェルトの「シュローダー邸」や「セントラールミュージアム」、アメルスフォールトにある「モンドリアンの家」も、この記念するべき年に訪れたい場所である。
アメルスフォールトにある「モンドリアンの家」があるのは、1892年に生まれたピエト・モンドリアンが8歳まで過ごした場所。現在、同じ場所に建物が再建され、初期の作品、手紙、写真、スタジオなどが再現され、画家の人生と作品にふれられるミュージアムとして公開。モンドリアンとデ・スタイルの世界観に浸ることができる。さらにモンドリアンに影響を受けた現在作家の作品も、この場所に展示されている。
2017年は、デ・スタイルという芸術運動の立役者ピエト・モンドリアンから、現代のダッチデザインの流れを読み解きに、オランダを旅してみてはいかがだろうか。
オランダ各地の「デ・スタイル100周年」の関連イベントやスポットはこちら(英語)で詳しく紹介されている。