「LOHAS(Lifestyle of health and sustainability)」とは、環境保全、道徳、品質、味の楽しみなど、全てを重視する未来の消費者層のこと。ウィーンには、この「LOHAS」の世界がすでに存在している。
ハイレベルなライフスタイル、健康管理、環境保護、消費者モラルなどを結合した、この新たなトレンドが生まれたのは1990年代のアメリカ。バイオ食品や「スローフード」、フェアトレード、種に適した動物飼育環境などを重点とするこの潮流は、ヨーロッパでもたちまち広がりをみせた。
とりわけ伝統的に味覚や品質、ハイセンスが重視されていたウィーンでは、こうした潮流を取り入れたレストランが次々に登場した。また、カルメリーター地区、ナッシュマルクト、シュピッテルベルクといった進取の気風に富む市民層の多い地区には、バイオ食品や自然食品の専門店が出店し、すでに日常生活の重要な柱として定着している。ウィーン市内の19ヶ所にある食品市場のバイオコーナーには、ウィーンや近郊からの産直食材が豊富に揃い、LOHASの食生活の中心となっている。
この他、シュテファン・ハイツァン、フリッツ・ヴィーニンガー、ライナー・クリスト、リヒャルト・ツァヘル、ユッタ・アンブロジッチなどの先進的ワイン生産者の努力によって、ウィーンのバイオ・ワインは国際的にもトップレベルを誇っている。
(写真:Wrenkh(レンク店) © WienTourismus / Karl Thomas)
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