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タイの歴史を見つめ続ける 「アナンタ・サマーコム宮殿」 |
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バンコク |
バンコク北西部、ドゥシット地区には、ウィマンメーク宮殿(ラマ5世博物館)を初めとする、様々な宮殿や寺院が集中すしている。その一角、ウィマンメーク宮殿の南側に建っているのが、迎賓館や国会議事堂として1915年の完成以来タイの歴史を見つめ続けてきた美しいイタリア建築の宮殿「アナンタ・サマーコム宮殿(旧国会議事堂)」だ。 現在、この宮殿は国や王位の儀式などに使用されているが、その内部が2008年5月から一般に公開されている。 |
■ 歴代王の偉業を伝える豪華建築 | ||||||||
「アナンタ・サマーコム宮殿」は、当時ウィマンメーク宮殿を生活の場としてたラマ5世(チュラロンコン大王、在位1868〜1910)の命により、迎賓館として建てられた。デザインを手がけたのは、イタリア人建築家のマリオ・ターマンヨー。イタリアのルネサンス様式とネオクラシック様式が採用された2階建ての建物で、イタリア・カララ市から運んだ大理石が使用されている。 建物の大きな特徴にもなっている中央の大きなドームに加え6つのドームがあり、内側にはそれぞれ美しいフレスコ画が描かれた。いずれもイタリアの画家ガリレオ・ギニとリコリの作で、ラマ1世から6世までの偉業をテーマにしたストーリー性のある作品は感動的だ。歴代王の中でもタイ国民に最も敬愛されたラマ5世の奴隷制度廃止をテーマにした有名な作品は、南側のドームに描かれている。 ラマ5世は建物の完成を待たず没したが、次に即位したラマ6世(ワチラウット王、在位1910〜1925)がその遺志を引き継ぎ、宮殿は1915年に完成した。 中央ドームの下部には、2代の王によって進められた工事の竣工を記念し、ラマ5世とラマ6世の名前を略した文字が向かい合うように記されている。 | ||||||||
■ ラマ5世騎馬像 | ||||||||
この宮殿に向ってラチャダムヌンノック通りを北上すると、正面に勇ましい騎馬像が目に入る。この大きな像はラマ5世の即位40周年を記念して1907年に国民からの寄付により建立したもので、フランスのパリで彫像された。この像を見れば、いかにラマ5世が国民に敬われていたかが分かるだろう。 奴隷制の廃止など数々の偉業をとげ、「タイ近代化の父」とも呼ばれるラマ5世は、いまなお国民に高く尊敬されており、毎年10月23日の命日には花輪を供える人が後を絶たない。なお、寄付金の残りは、ラマ6世により現在のチュラロンコン大学の建設に充てられた。 | ||||||||
■ 現在のアナンタ・サマーコム宮殿 | ||||||||
1932年の立憲革命により、宮殿は国会議事堂として使われるようになったが、1974年の新国会議事堂完成後には、再び国や王室の儀式などに利用されるようになった。2006年6月のプミポン国王陛下在位60周年祝賀式典もこの宮殿で開かれている。なお、半ズボンや襟のないシャツ、タンクトップ類、女性の長ズボン、ミニ・スカートでは入場は不可。40バーツで巻きスカートの販売も行われているが、見学の際には服装に注意を払いたい。 | ||||||||
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◇ 掲載の内容は予告なしに変更されることがありますのでご注意下さい ◇ 情報提供:タイ国政府観光庁東京事務所 掲載開始日:2008年8月28日 最終更新日:2008年8月28日 |
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