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古き良きタイの風情が残る町
サムット・ソンクラーム

 川沿いに並ぶ伝統的な木造タイ式家屋、川面で果物や野菜を売る舟、昔ながらの素朴な生活を営む人々・・・。バンコクの南西約72キロにあるサムット・ソンクラーム県には、都会からほとんど消えてしまった「古き良きタイ」の光景が広がっている。

 サムット・ソンクラームはタイで一番小さな県で、タイ湾に注ぐメー・クローン川の河口にある。面積は、東京都23区の3分の2程度。ムアン郡、アムパワー郡、バーンコンティー郡の3郡からなっている。観光の中心はアムパワー郡で、県内の観光地に向かう場合にもここを基点にするのが便利だ。

 自然にあふれたこの地域では、果物栽培が盛んに行われている。また、広い海岸線が広がっていることから、魚介などの水産資源にも恵まれている。

 周辺にはメー・クローン川からの支流が100以上もあり、川に寄り添うように人々が生活を営んできた。近年、エコツーリズムへの関心が高まってきているが、そうした面からもありのままの生活文化や自然にふれられるサムット・ソンクラーム県はお勧めのディスティーネーションと言える。

 最近は映画のロケ地としても注目を集めるサムット・ソンクラーム。2008年11月に公開予定の日本映画『七夜待』の撮影も行われた。 サムット・ソンクラームへは、バンコクの南バスターミナルからダムヌンサドゥアック行き長距離バスを利用。ムアン郡へ行くならアムパワーでサムット・ソンクラーム行きのバスに乗り換える。


■ 間近で見られる川沿いの暮らし

 今も昔も、川や支流沿いではに人々が買い物をしたり、舟の上で托鉢をしたりする光景が見られる。川を通る舟では、日常的に食べ物などが売り買いされている。一番にぎわうのは、やはり水上マーケットだ。お勧めは、金曜日から日曜日までの16時から20時に、野菜や果物、惣菜などが売られているアムパワーの水上マーケット。この他にも、ター・カー水上マーケットやバーン・ノーイマーケットといった大きなマーケットがある。

 ムアン郡からは、メー・クローン川を回るボートツアーも催行されている。ボートツアーでは、タイ式家屋やそこに暮らす人々の暮らしぶりが間近に見られる。また、ココナッツ園の涼やかな雰囲気も水上から楽しむことができる。

 
■ 歴史を感じる寺の数々

 古くから川を中心に商業と農業を発展させてきたこの地方は、タイの歴史においても重要な地とされてきた。ラマ2世(1766〜1824)の生誕地としても知られ、アムパワー郡にはラマ2世公園や園内にはラマ2世像のある博物館もある。

 また、歴史ある寺も多く残されている。アムパワー郡の山頂にある舟の形をした本堂が珍しいワット・カオイサーンは、アユタヤ時代後期の建立と言われ、本堂には4つの仏足跡が、洞窟には寝釈迦仏がある。寺の周辺にあるバーン・カオイサーン博物館には、薬草からハーブをつくる道具や、果物をもぐための長竿などが展示されている。

 ゴールデン・チーク材造りと象眼細工の装飾が有名なワット・サッタータムには、本堂の内側に仏陀の生涯やラーマキエン物語が描かれている。他にも仏陀の生誕や涅槃入滅、輪廻などを表現した美しい木彫りが有名なワット・バーン・ケーノイや、アユタヤ後期のビルマ(現ミャンマー)戦で、タクシン王(1734〜1782)が水軍を駐留させたとされる樹木で覆われたワット・バーンクンなどが、メー・クローン川沿いに建てられている。

 
■ 恵まれた自然も魅力に

 この地方の魅力の一つに、豊かな自然もあげられる。バンコクからの道中には塩田風景も見られ、海岸沿いにはマテ貝の一種「ホイ・ロート」が採れる干潟「ドーン・ホイ・ロート」がある。土壌も良いのでココナッツ、ライチをはじめとするたくさんのフルーツが採れ、ココナッツを材料にしたパームシュガー作りも盛んに行われている。また、毎年4月初旬には、通りがライチで真っ赤に染まるライチ祭りも開催される。さらに、新鮮なシーフードを楽しめるレストランも多い。

 
■ 一押しはホームステイ型の滞在

 サムット・ソンクラームの滞在で注目されているのが、川沿いの暮らしを体験できるホームステイ・プログラムだ。朝食と托鉢用のご飯代込みで、1泊2日が約350バーツ。地元の人々との交流を深めながら、果樹園を訪問したり、ホタルの鑑賞ができる約2時間のボートツアーも楽しめる。2008年11月現在、ボートツアーの料金は一人60バーツ。

 

◇ 掲載の内容は予告なしに変更されることがありますのでご注意下さい ◇
情報提供:タイ国政府観光庁東京事務所
掲載開始日:2008年11月14日
最終更新日:2008年11月14日
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