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トラベルライターによるホットな現地情報
＜No.12＞ロスカボス

砂漠の果てのリゾート、バハカルフォルニアに遊ぶ
鯨と戯れるロスカボスのエコツアー

　ロサンゼルスの南、さらに南に向かって細長く伸びるメキシコのバハカリフォルニア半島の先端に、砂漠と海に囲まれたリゾートがある。それがアメリカ人に人気のロスカボス。ロスから飛行機で２時間、どこまでも続く乾いた大地の先に忽然と出現する「地の果て」のリゾートだ。

井上　理江（トラベルライター）

車窓からの眺め。サボテンの向こうに青い海が広がる

■マドンナやエリザベステーラーの別荘が並ぶ高級リゾート

　サボテンがにょきにょきと青空に伸びる砂漠を背に、青く輝く海に向かって高級リゾートが並ぶ。マドンナやエリザベス・テイラーなど、ここに別荘を持つハリウッドの有名人も多い。パームスプリングスやフェニックスもそうだけど、アメリカ人ってほんとに砂漠のリゾートが好きだ。でも、ここは砂漠に加え美しい海にも恵まれているとあって、アクティビティも豊富に揃う。シュノーケリングやダイビングはもちろん冬はホエールウォッチングのメッカとして有名なほか、初心者でもカジキマグロが狙えるトローリングや、だだっ広い砂丘を太いタイヤの４輪バギーで爆走するツアーや乗馬、ゴルフなど海でも陸でもさまざまな楽しみ方が可能なのだ。
　だが、最近はちょっと違った趣向のツアーも登場している。それが、ロスカボス東側の海沿いに伸びる道なき道をジープで疾走し、砂漠の手つかずの自然にふれる「東海岸オフロードツアー」だ。このツアーは今年はじまったばかりで、ガイド兼ドライバーを務めるのはメキシコに住んで22年、ロスカボスに住んで３年という佐藤健さん。この一帯の自然生態に興味を持ち独学で勉強したとのことで、この一帯の植物や野鳥について教えてくれる。

反対側の車窓には荒涼とした大地。空がとにかく青くて美しい

■新趣向のオフロードツアーも

　ジープが走るのは砂に覆われた道なき道。断崖の上をうねうねと曲がりくねり、目の前に青い海とサボテンが点在する大地が織りなすダイナミックな景観が広がる。ふと、赤い鳥が空を横切るのが目に入った。「セキレイですよ。鳴き声が美しいんです」と佐藤さん。その後に目もさめるような黄色の鳥が木に止まっているのを発見。「さっきの鳥と同じ鳴き声でしょう。これも同じセキレイです」とのこと。また、道ばたでニスを塗ったように光沢のある幹を持つ木が目をひいたので、名前を尋ねると「ここではエレファントトリーと呼ばれています」という答えが返ってきた。葉は喘息の薬になるという。砂漠の植物には薬効があり、民間療法に使われるものも多い。佐藤さんは道すがら目にするさまざまな植物の名や薬効について丁寧に教えてくれる。鳥や植物など、目にしたその場で名前を教えてもらうと、覚えるのも早い。砂漠の自然にぐっと親しみが増すから不思議なものだ。
　ロスカボスの現地発着ツアーは海や陸でアクティブに楽しむものが中心で、このように、砂漠の自然について楽しみながら学べるツアーは、今までありそうでなかったという。その意味では新たな試みであり、貴重な存在だ。参加者は２名限定のいわばプライベートツアー。だから、途中での寄り道するのも自由で、誰もいないビーチでシュノーケリングしたり、気ままに１日を過ごせる。ロスカボスの砂漠の懐に入り、マイペースで自然と親しむことができる新しいタイプのツアーとして、おすすめである。

途中にはこんな入り江も。ペリカンがのんびり浮かんでいる

ツアーデータ
所要時間：９時間。8:00出発
17:00帰着　料金：１人US$180(１ツアー
2名限定・ランチ＆シュノーケル付)

問い合わせ先
カボ・サン・ツアーズ
CABO SUN TOURS
TEL&FAX< 52>114-22507　
E-Mail:cabosun@1cabonet.com.mx
(要予約・日本語でOK)

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