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トラベルライターによるホットな現地情報
<No.18> シアトル
2001年6月号
イチロー、大魔人でフィーバーするシアトル
米国社会が凝縮される野球観戦
昨年の佐々木投手の活躍に続き今年のイチロー選手の入団で、いまや日本から熱いまなざしを一身に浴びているのがシアトルを本拠地とする米プロ野球チームのマリナーズ。地元に在住する日本人にとっても、メジャーリーグで活躍する日本人選手のプレイをみることは、誇らしく嬉しいもの。おかげで、地元紙に「日本人はみなセーフコ・フィールドをめざす」と書きたてられるほど、今年は日本からの観光客が急増している。
しかし、ゲームもさることながら注目してもらいたいのは、マリナーズの本拠地であるセーフコ・フィールドの素晴らしい設備と、地元民が一体となって応援するメジャーリーグ観戦の面白さだ。セーフコ・フィールドの魅力と観戦のポイントを紹介しよう。
高梨 奈緒子
(
トラベルライター/シアトル在住
)
■日本から熱い期待が集まるマリナーズ
開幕戦で行われた選手紹介。花道を通る
イチロー選手にも、暖かい声援が送られた。
2001年4月2日、シアトル・マリナーズの本拠地、セーフコ・フィールドは、異様な熱気に包まれていた。今シーズンの開幕戦が行われたからだ。例年、開幕戦は地元野球ファンにとって一大イベントだが、今年はイチロー選手がメジャーリーグにデビューするということで、日本から200人にも及ぶ報道陣がかけつけたのをはじめ、はるばるやってきた日本人ファンで球場はごった返した。
試合開始前に行われた各選手の紹介では、地元ファンは昨年大活躍をした大魔人こと佐々木投手に盛大な拍手を奉げた。次に星条旗に向かって合衆国国歌が歌い上げられ、花火が打ち上げられた。さあ、ゲームのスタートだ。
試合中、地元ファンは大振りな声援を送ったかと思うと、次の瞬間ブーイングしたりと大忙しだ。スコアボード横の電光掲示板はときおり、「NOISE!」というサインを点滅させてファンに盛り上げを促す。同じ掲示板に、チーム一番の好打者、エドガー・マルチナスが登場すると「EEEEEEDGAAAAAR!」、佐々木投手が登板すれば「KAZMANIA(カズマニア)」などの文字が出てくる。観客はそれにあわせて選手に声援を送る。
■地元っ子自慢の球場
フェンスがないので、ファンと選手の距離が近く、
どの席からもよく観戦できる。
セーフコ・フィールドは、完成してまだ2年目の最新設備を整えたマリナーズ専用球場だ。そのコンセプトは「ファンのための球場」そして「選手のための球場」であり、ファンと選手とが一体感の持てるつくりとなっている。たとえば、バックネットは本塁側にしかなく、内野席のフェンスもかなり低い。
総工費5億1700万ドル(約640億円)をかけた同球場は、「野球は青空の下で楽しみたい」という地元野球ファンの願いと、雨の多いシアトルの天候を考慮して開閉式の屋根付き球場となった。屋根が開いているときには、ダウンタウンのビル群のほか、エリオット湾を行き来するフェリーや、オリンピック山脈の景観も楽しめる設計になっている。
また、どの観客席からでもフィールドがよく見渡せるようになっているため、入場料の高低にかかわらず、すべてのファンが観戦を楽しめるようになっているのが特徴だ。
カズの名で親しまれる佐々木投手を
応援する電光掲示板
■観客の快適さを追及した設備
セーフコ・フィールドはまた、家族連れに配慮してつくられている。全部で75カ所あるトイレすべてに赤ちゃんのおむつをかえる台が備えつけられているほか、各階に授乳中や小さな子供連れの家族が利用できる家族用トイレもある。飲酒禁止の家族向け観客席、子供の遊び場、さらにピクニック場も完備されているので、家族そろってのちょっとした外出気分で利用できるようになっているのもいい。この辺りが男性ファン一本槍に造られている日本の球場と根本的に違う。
球場内には90店舗もの飲食店があり、野球観戦につきもののビールやホットドッグ、ピーナツにはじまり、本場のバーベキュー、メキシカン、日本食までそろっているから恐れ入る。人種のるつぼといわれるアメリカ社会の象徴といえるかもしれない。とくにお勧めなのが、シアトル名物のエスプレッソやクラムチャウダー、そして地ビールの「レッドフック」と「ピラミッド」。地ビールを飲みピーナツを頬張りながらの野球観戦は、エンターテイメントの極致だ。
■一般公開ツアーに参加してみよう
このセーフコ・フィールドの魅力を存分に堪能しようとしたら、一般公開ツアーに参加することだ。1日2〜3回行われる1時間半のツアーでは、通常、一般に開放していないスイートルームにはじまり、プレスルーム、選手控え室、グランドを見学することができる。特筆すべきなのが、各スイートルームに歴代の名選手の名前がつけられていることだ。なんと26号室は王貞治選手の名前になっている。一見の価値ありだ。
今年、7月に行われる第100回オールスター・ゲームは、このセーフコ・フィールドで行われる。イチロー、佐々木両選手の活躍を見るだけでなく、最新式設備を整えた球場と、そこで観戦するメジャーリーグ・ゲームの醍醐味をぜひ味わってもらいたい。
地元日系人もイチロー選手の入団に
大喜び。応援にも熱が入る。
<チケットの購入方法>
現地で購入するなら、セーフコ・フィールドにあるチケット売り場か、マリナーズのチーム・ストア内で。オンラインなら、チケットマスターのサイト(http://www.ticketmaster.com)、または日本語可のJALワールドプレイガイド(http://www.jalworldplayguide.com)を利用できる。チケットマスターを使い日本から購入する場合は、試合当日に球場の「Will-Call Window」で受け取ることになる。
<セーフコ・フィールド・ツアーの参加方法>
ツアー出発時間/シーズン中の試合のない日は、10:30am〜、00:30pm〜、2:30pmの1日3回。試合のある日は、試合開始時間によって異なるので確認のこと。シーズン・オフは00:30pm〜、2:30pm〜。スケジュールは変更になることがあるので、事前の問い合わせをおすすめする。電話:206-346-4000
料金/大人$7、65歳以上のシニア$5、12歳以下の子供$3、2歳以下は無料。
<シアトル・マリナーズ公式ホームページ>
http://www.mariners.mlb.com/NASApp/mlb/sea/homepage/sea_homepage.jsp
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