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トラベルライターによるホットな現地情報
<No.24> マレーシア
2002年6月号


<その1> 成田からクアラまでストレートイン

 金剛寺 拳(写真家・日本旅行作家協会会員)

新登場したKLIAクスプレス


 マレーシア航空は、4月18日から成田―クアラルンプール便を1日2便、週14便に増便した。便利になったこの路線を使ってマレーシアの旅に出ることにした。

 クアラルンプール国際空港から市内までは約70q、バスで1時間あまりだが、4月14日からノンストップ旅客輸送鉄道システムKLIAエクスプレスが運行を開始した。

 開業したエクスプレスは、毎日午前5時〜午前1時まで15分間隔で運行されており、空港から28分でKLシティ・エア・ターミナルまでを結ぶ。近い将来、沿線3カ所に停車するKLIAトランジットも運行予定だという。私が着いたのは夜中だったため残念ながら車窓の景色が楽しめない。そこで、このシステムをじっくり視察するため、KLセントラル駅から改めて試乗をしなおすことにした。


マレー語、英語とともに日本語の表示が
KLシティ・エア・ターミナル(KL CAT)

 ビジネス街の南西1,5q、国立博物館の近くにKL CATはつくられた。

 ターミナルの正面玄関から入ると案内板にマレー語、英語の下に日本語が書かれていることに気がついた。中国語ではなく何故日本語なのかと関係者に訊ねたら、設計が黒川紀章氏であるという答えが返ってきた。外国語が不得手な日本人にとってはありがたい。

KL CATのチェックイン・カウンター

 正面玄関から右手奥にはKL CATのフライト・チェックイン・カウンターがある。ここでは機内搭乗手続きと荷物の預け入れができるので便利だ。出発の2時間前までが受けつけのリミットとなっている。これは厳格に守られているから要注意だ。私自身、実際に帰国するときに、2時間を切って飛び乗ったため空港まで荷物とともに移動、チェックイン・カウンターの列に並ぶという体験をすることになった。ターミナルでのチェックインはいまのところマレーシア航空だけのサービスであるが、いずれ他社もカウンターをオープンする予定だ。

 また、セントラル駅には外貨両替所やATM、レストラン、雑貨店、書店などが営業を始めている。あたかも空港施設の機能がそのまま市内に移動してきたようなものである。



KLIA(クアラルンプール国際空港)へ

綺麗で快適な車内
 切符は自動販売機のほかもちろん窓口でも買える。片道RM35(約1,150円)。自動改札を通りエスカレーターで1階下のプラットホームに降りる。4両編成の車両はエアコンが効いていて快適だ。大きな荷物を置く棚や身障者用のスペースがあり、特にトイレはかなり広く設計されており、ボタンひとつで開閉する最新式システムが便利だ。

 市街地をあっという間に抜けると窓の外はパーム椰子の緑の世界が広がる。パーム油は、マレーシアの第一の産業というだけあって見晴るかす限り遥か先まで畑が続いている。車内で談笑するまもなくあっという間に空港到着だ。28分は思ったよりさらに短い。

 これまで空港からざっと1時間かかっていた車でのクアラルンプール入りが半分に短縮された。年3回国を挙げて行われるメガセールでの買出しツアーなど、思い立って手軽にクアラルンプールのショッピングに出かけるのもいい。KLIAエクスプレスの登場で、私の好きなKLがごく身近になったのが何よりも嬉しい。


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