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トラベルライターによるホットな現地情報
<No.25> マレーシア
2002年7月号


<その2>
パンコール・ラウ島
〜Pangkor Laut Resort〜

 金剛寺 拳(写真家・日本旅行作家協会会員)


極上のプライベートビーチをもつ島
魅惑の高級リゾート

 クアラルンプールからハイウェイを北に向かった。目指すのはマレーシアの西に浮かぶパンコール島に寄り添う小島パンコール・ラウ島だ。数年前に知人に連れられて来てからすっかり虜になり今回が3回目の訪問になる。

 世界のベストビーチ100に選ばれたビーチを持つ島だ。1992年にオープンしてから施設は年々増設されてきたが、島の80%がジャングルのまま残し、あとの20%がリゾート地として開発を許されている。ビーチに沿って建てられたシーヴィラ、緑の庭園のなかにあるビーチヴィラ、ジャングルの斜面に建てられたヒルヴィラ、熱帯植物の庭園風な環境に建つガーデンヴィラなどの自然の癒し空間が広がる。その他に豪華コテージ3棟がセットになったマリナ・ベイ・リゾートがある。

 前回は海の上に建つシーヴィラに滞在した。窓を開けて海を見ながら風呂に浸かり、ベランダでは松本清張の「熱い絹」を読んだことが強く印象に残っている。かつてこのリゾートに滞在したテノール歌手ルチアーノ・パバロッティが、パンコール・ラウを世界最高級のリゾートだと絶賛したという。


野猿も一緒にCD鑑賞

 今回は、パバロッティが泊まった丘の中腹に建つヒルヴィラの並びに部屋をとった。リゾートに備え付けのステレオは音質が良いことはすでに知っている。リゾートのCDコレクションから地元の音楽を借りた。マレー語は理解が困難だがジャングルの絵が入ったジャケットは、聴いてみたいという感情を抱かせる。

 シャワーを浴び、ソファーに横になりボリュームをやや高くしてCDに心を委ねる。ジャングルの動物の鳴き声とドラムの低音が部屋じゅうに響き渡る。何曲目かで浅い眠りに入ったようだ。暫くすると窓を揺する音に気がついた。すると幾つもの目がこちらを向いている。野生の猿が音に惹かれて部屋の中をうかがっていたのだ。音楽が終わるころにはいつの間にか猿の一行も姿を消していた。


 夕食は中国料理やマレー料理など7つあるレストランのなかから選ぶことができる。前回、一人で滞在しているときに、フードマネージャーが気を利かせて他の客たちとテーブルをつなげてくれて、各国入り乱れての楽しい小会食となった覚えがある。

 日の出とともに目が覚めた。朝食はバイキング方式でマレー料理から西洋料理までよりどりみどり、卵料理はコックにオーダーできる。

 5月から新しくできたスパ・ヴィレッジをのぞいて見た。足を手入れするフットバウンディングからオイル・ハーブ・マッサージ、日本の温泉を思わせる風呂などアジアン・テイストがいたるところに見られる。

 まさに癒しの世界がそこにはある。


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