まず国際線の航空便だが、航空会社名は空欄になっていて、目下旅行情報誌で千円でも安いところを捜しているという。東南アジア系の旅行会社のところにマーカーペンで印が付いており、ロサンゼルスまで×××円と確かにかなり安い金額だ。
A氏曰く「これなら西海岸まで一番安く行けるから」とのこと。「じゃあロスからカナダまではどうやっていくの?」と私が尋ねると、A氏は「ロスで航空券を買えば、今はドル安だから、日本で買うよりずっと安い」と得意満面だ。つまりカナダ周遊の旅行券をロスで買おうというのである。賢明な読者の方はA氏が既に二つの大きな誤りを犯しているのに気づかれたと思う。
その一つは情報誌の価格はあくまでも予約が取れた場合のものであって、予約が取れなければ絵に描いた餅にすぎない。予約は既に取れたのかどうか、と聞くと案の定まだだというから、価格を気にする前に、色々な会社へ電話して予約状況を聞くようにアドバイスした。
そこで価格の安い順から電話してみたところ、いずれの会社も満席で空席待ちとのことで、何社かは親切に「空席待ちには入りませんが、他社便も当たってみますか」とつけ加えてくれたとのことだった。そこで私は「価格よりも、この時期は予約が取れるかどうかが先決。他の航空会社にもあたってみたら」とアドバイスした。
数日後、A氏から返ってきた答えは「他に10社以上あたってみたが、答えは皆同じ。価格のやや高い米国系航空会社も、もっと値の張る直行便の航空会社もすべて同じ状況だった。」とのこと、A氏は出だしの航空便から予定が大きく狂ってしまったと、ガックリ肩を落としている。
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