[クラゲの海へ] 私がパラオを初訪問したのは27年前であるが、海の美しさに魅了されたことに加え、親しくしていた人が初代大統領になったこともあり、7年の間に20回ほどパラオに通うことになった。久し振りに見る海の生物は昔と変わらず元気な姿を見せてくれるだろうか。 翌日は、朝食後にホテルの桟橋前にあるツアーデスク(ベラウ・ツアーとロック・アイランド・ツアー・カンパニーが提携している)で海の観光の相談をした。ジェリーフィッシュ・レイクのツアーがあるというので参加した。 ボートは小島の間を縫うようにして進み、30分あまりで無人島に接岸した。尾根を越える10分程度のジャングル歩きで、湖に着いた。かつては、かなり険しい登り降りを強いられたが、いまでは手すりもついて安全が確保されている。 水中メガネを着けて泳いでいくと、ピンポン球から子供の頭程度の大きさの半透明の物体が現れた。ジェリーフィッシュ、つまりクラゲである。やがて、宇宙の星のように数え切れない大集団の中に入っていった。ここのクラゲは毒がないので何万もいても怖くない。宇宙遊泳をしているような不思議な感覚に興奮をしてしまう。