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リモージュへの脇道
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リモージュ/オールドタウン |
ここで藤村の話が出たついでに、疎開先のリモージュに触れましょう。
この街は二つ目のヴェズレーのセント・マドレーヌ寺院を出発点とする巡礼路にあります。この街のサンテチエンヌ大聖堂は、藤村がボルドーのサン・タンドレ大寺院を訪れた際に、「サン・テチエンヌ寺を見た眼には内部の建築に於いてもひどく見劣りがした」といわしめたほどの素晴らしい寺院です。
その藤村にこの街を語ってもらいましょう。
「巴里を見た眼でリモオジュを見ると、ここは旧い城下とも言ひたい町だ。自分等の国のことにしたら何となく松本あたりを思ひ起させる。サン・テチエンヌ寺は停車場前の旅館の窓からでも見える高い石造りの寺院であるが、その前が丁度私達の通路に当って居た。」
リモージュの街は、昔はこの街の守護聖人である聖マルシアルの教会が多くの巡礼を集めていました。残念ながらこの教会は今は存在しません。しかし奇妙なことに”巡礼の案内”はこの聖マルシアン教会について全く触れていません。現在のリモージュはその陶磁器によって日本にもその名を知られています。
このリモージュへはポアティエから鉄道で2時間です。リモージュからボルドーへ向かう途中にあるのがペリグーです。この街はフォアグラとトリュフでグルメには忘れられないペリゴール地方の中心都市です。
ボルドーからサン・ジャン・ピエ・ド・ポールへ
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リモージュ/陶芸博物館 |
ボルドーから南へ下ると、シャルマーニュ大王の部下の英雄たちが眠るブランに着きます。さらに南下してオスタバの手前では、ポアティエ、ヴェズレー、ル・ピュイを起点とした三つの道が合流します。いよいよバスクの地でサン・ジャン・ピエ・ド・ポールからピレネー山脈へと入っていきます。
ここからロンスボーの峠を越えてパンプローナへの旅は次の号のお楽しみにしましょう。
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