実践・アメリカドライブ旅行旅コム目次へ|




<その12>

サンフランシスコ/ニューヨーク・コース

SFOからNYまで大陸横断の旅(8〜16日間)


 西海岸のサンフランシスコから東海岸のニューヨークまで、最短距離のインターステイト80号線沿いに走るダイナミックな大陸大断ドライブである。

 太平洋岸のサンフランシスコから大西洋岸のニューヨークまで一本の高速道路インターステイト80号線を使って、アメリカの全体像をとらえるコース。是非一度は体験して欲しい大陸大断ドライブである。

 1950年代のイメ−ジの大陸横断ドライブのルート66号線コースにくらべても遜色のない変化に富んだコースである。一応8日間のコースにしてあるが、ただ走るだけでなくそれぞれの町で様々な体験を期待するなら、最低2倍の16日間は欲しい。

 日本からは、それぞれノンストップ便の多い出発と終点なので、サンフランシスコ空港からレンタカーで出発、終点のニューヨーク・ケネディー空港に乗り捨てるまでの片道レンタルでドライブする。但し、サンフランシスコやニューヨークなどの市内コースはそれぞれ別に紹介するのでここでは省略する。

 太平洋岸から奥深い自然のサンフランシスコ湾を利用した港町サンフランシスコ、シエラネバダ山脈越え、カジノや観光で栄えるネバダ州の砂漠を一気に横切る。ロッキー山脈の山岳地帯を数日かけて抜けるとグレート・プレーンズと呼ばれる半砂漠地帯に出る。

 井戸や水を引いて出来上がった巨大な穀倉地帯を抜けて、五大湖畔の町シカゴに到着。ここから先アメリカの機械産業の中心地インディアナ州、オハイオ州と抜け、アパラチア山脈をペンシルべニヤ州で越えると、ニューヨーク郊外のニュージャージー州へ出る。ハドソン川をジョージ・ワシントン・ブリッジで渡ると終点のニューヨークだ。



コースガイド

 1日目

サンフランシスコからカリフォルニア州の州都サクラメントをぬけシエラネバダ山脈へ

 サンフランシスコ空港から出発する場合は、すぐ前の高速道路国道USハイウエイ101号線をNORTHへ入る。そしてサンフランシスコの町が見えたらすぐインターステイト80号線に乗換え、一路ニューヨークの方向EASTへ辿る。このインターステイト80号線はサンフランシスコ湾に掛かる巨大なベイ・ブリッジを渡ってスタートする。

 渡ってすぐの町バークレイはカリフォルニア大学の町である。ユニバーシティ・アベニュでちょっと寄り道も可能。州都サクラメントは、キャピタル・アベニュで州議事堂に寄れる。他ではオールド・サクラメントも是非見学して欲しい。

 シエラネバダ山脈はドナー峠で越える。西部開拓時代の幌馬車隊が冬の雪で越えられず全滅した難所だが、インターステイト80号線は多少カーブしながらも簡単に越えてネバダ州のリノに到着。ここで2泊すればタホ湖畔を一周できる。

 

カリフォルニアの州都サクラメントの州議事堂

 

ネバダ州のリノ



 2日目

リノから一路ネバダの砂漠地帯を走り抜けユタ州のソルトレークシティーへ

 リノもラスベガスと並ぶギャンブル公認の観光の町だ。ユタ州のソルトレークシティーまでは、ひたすら砂漠地帯を走るのだが、運転の交替が出来なければ途中のウネムッカかエルコに1泊するとよい。ネバダ州を出る手前のウエンドーバーはギャンブルのラスト・チャンスの町だ。このあたりから前方の地平線に白い物が見えてくる。これがグレート・ソルト・レーク砂漠だ。

 一部に砂漠の中に乗り入れられるようになっているところもあるが、くれぐれも真っ白な砂漠の中で方向感覚を失わないように。巨大な塩の砂漠の隣には古代の海がまだ蒸発していないで濃い塩水湖となって残っているグレート・ソルト・レークがあり、南岸を通ってソルトレークシティーへ。ここでも2泊して、もう一度ゆっくりグレート・ソルト・レーク砂漠やグレート・ソルト・レークの湖へ。

 

グレート・ソルト・レーク砂漠

 

グレート・ソルト・レークの湖



 3日目

ワイオミング州へ入り、カウボーイの町ララミーへ

 インターステイト80号線はソルトレークシティーを出発するとすぐワイオミング州へ入る。このあたりは特に風の強い所で、ドライブ中は横から吹いて来る風に注意。ロックスプリングスの手前のフレーミング・ゴージの貯水池は砂漠の中にできた人口湖だが、その美しさは必見の価値がある。『ララミー牧場』の映画などで知られるララミーはララミー砦の町で、西部開拓時代の面影を残す町だ。

 

ワイオミング州のウエルカム・サイン

 

フレーミング・ゴージ




 4日目

ワイオミング州の州都シャイアンを抜け、ネブラスカ州に入りオレゴン街道沿いに

 ワイオミング州の州都シャイアンも西部開拓時代の面影を残す町だ。そこからインターステイト25号線で南下するとロッキー山岳地帯で一番急激に発展を遂げている町、デンバーにも出られる。

 大陸横断コースを3つに区切るとすると、ここデンバーで一旦日本に帰るという方法もある。何度かに分けてドライブすればよい。

 インターステイト80号線コースはシャイアンから先はネブラスカ州へ入っていく。西部開拓当時オレゴン街道は、国道26号線との合流点でオレゴン州の農地で農業を行おうとしてオレゴン州へ向かったコースと、このインターステイト80号線ぞいにリノ近郊のドナー峠を抜けカリフォルニア州へ一攫千金の銀の鉱山を求めて向かったコースがあったという。

 ノースプラットは西部開拓当時のカウボーイの技術をサーカスのように仕立てたバッファロー・ビル牧場の町。オマハは大陸大断鉄道のユニオン・パシフィック鉄道の本社のあった町として、また家畜の集積所の町としても知られる。今でも見られるライブストック・マーケットは必見のスポットである。

 

バッファロー・ビルの牧場

 

オマハのライブストック・マーケット




コラム: マイレージ

 サンフランシスコからニューヨークまで片道3,082マイル(約5000キロ)。8日間で走ると一日385マイル。高速道路だけを走る距離としてはちょうどよい距離だが、途中寄り道したり、昼食を食べたり、休んだり、ショッピングを始めたりするとこの385マイル走るのでもかなりハードなドライブになってしまう。移動中は余り寄り道せずに各地に2泊ずつして1日はゆっくりそれぞれの町を楽しむようにすると良い。

 このようにして大陸横断をしてみるとその合計走行マイレイジは倍の6,000マイル程になってしまう。私は、一人で運転する時は高速道路だけの移動の日は。1日400マイル以内、一般の道路の時は300マイル以内と決めてスケジュールを組むようにしている。このコースのネバダの砂漠の横断は少々ハードなコースだが、途中停車するところも余りないのであえて400マイルを越えるコースにした。

 マイレージと言えば、レンタカーを借りる時にはフリー・マイレージが適用されるものを選ぶと良い。この場合でもワンウエイのドロップ・オフ・チャージが付くことが多い片道のコースで、体験出来ることのできる素晴らしい内容を考えると高いとは思わない。

 ワンウエイの予約は早めに予約を取っておく必要がある。アメリカのレンタカー会社の有難い事はキャンセル料というものは、一度も取られたことがないことだ。

 

マイル数を表示した案内標識

 

車のマイル表示とマイレージ・メータ



 5日目
どこまでも続くコーン畑を抜け、ミシガン湖畔のアメリカ第三の都市シカゴへ

 ミッシッピー川の支流ミズリー川を越えるとアイオワ州だ。シカゴのコーン・フェッド・ビーフの餌となるコーンの産地はこのあたり。一日中車で走っても道路の両側はトウモロコシ畑。この様な農村のなかのひとつの小さな出来事を小説に仕立て上げたのが、マディソン郡の橋だ。

 ミッシシッピー川を渡るとイリノイ州に入っていく。インターステイト80号線は実際にはシカゴ市内を抜けてはいないが、ここまで走ってシカゴのオヘア空港から直行便で一旦日本に帰るという手もある。シカゴ市内のコースはここでは省略する。

 

マディソン郡の橋

 

シカゴ



 6日目
自動車産業や機械産業のインディアナ州、オハイオ州へ

 古くから五大湖やミッシシッピー川の支流オハイオ川の水運で機械産業の栄えたこの地方は産業に特徴のある町が多い。

 有料道路になっているインターステイト80号線を進む。シカゴ郊外のゲアリーは一面の工業地帯といった中を進む、サウスベンド付近はアメリカのキャンピングカーの生産の中心地である。オハイオ州に入ってトレドは今を時めくチェロキーなどのジープの主産地だ。また古くからの地場産業であるガラスのコレクションで知られるトレド美術館も有名。

 トレドからインターステイト75号線でデトロイトに立ち寄れば自動車産業の中心地もある。インターステイト80号線に戻って次ぎの目的地となるクリーブランドは、石炭や鉄鉱石を中心とする重工業地帯で、郊外のアクロンはタイヤの町だ。

 アメリカの産業は、良くファクトリー・ツアーと称して工場見学コースに力を入れているので1時間から3時間位の工場見学に参加してみるのも良い。クリーブランドかアクロンあたりに2泊するとよい。

 

トレド美術館

 

クリーブランド



 7日目
ペンシルベニヤ州でアパラチヤ山脈を越えポコノ山地へ

 ペンシルベニヤ州を東西に結ぶ高速道路はインターステイト76号線になっているペンシルベニヤ・ターンパイクの方が歴史もありそれぞれ特徴のある町が続く。日程に余裕があれば鉄の町ピッツバーグ、スリーマイル島の原発、ペンシルベニヤ・ダッチやファクトリー・アウトレットの発祥の地ランカスターやレディング、そしてフィラデルフィアと変化の多いコースがある。

 しかしこのインターステイト80号線のコースは最短距離でニューヨークまで進むことする。最近出来たインターステイト80号線はアパラチヤ山脈越えも走りやすい快適なドライブコースだ。この日はニューヨーク郊外のリゾートとして知られるポコノに2泊できれば、アメリカ人のリゾート・ライフをほんのちょっとだが体験できる。


 

ペンシルベニヤ州のウエルカム・サイン

 

ポコノ・リゾート



 8日目

ノーザン・ニュージャジーを一気に走り抜けニューヨークへ

 ニューヨーク郊外の住宅地や新しいビジネスの中心地になっているノーザン・ニュージャジーを走り抜けニューヨークへと急ぐ。

 デラウエア川を渡ってニュージャジー州に入ると、ガーデン・ステイトとニックネームで呼ばれる緑の美しい田園地帯にニューヨーク郊外の住宅街が点在する。しかし、最近のノーザン・ニュージャジーはニューヨークのマンハッタンから脱出して来た企業のオフィスが、周囲の緑を楽しむ様に点在している。

 ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡る手前の町フォート・リーあたりは、ニューヨークに駐在する日本人ビジネスマンが多く、マンハッタンの狭い住環境から脱出してきた人達が住むところだ。

 インターステイト80号線の旅はこのジョージ・ワシントン・ブリッジが終点になる。マンハッタンへは、橋を渡ってすぐの9Aと呼ばれるHENRY HUDOSON PARKWAYをSOUTHへ。ニューヨークのケネディー空港へはインターステイト95号線、すぐにWHITE STONE BRIDGEを渡るインターステイト678号線のSOUTHで下りる。


 

ジョージ・ワシントン・ブリッジ

 

ニューヨーク



トップへ実践・アメリカドライブ旅行旅コム目次