ドイツ「観光街道キャンペーン」のフォトコンテストで日本人が上位入賞
日本人にもお馴染みの「ロマンチック街道」をはじめ、「メルヘン街道」や「ゲーテ街道」など、150もの観光街道があるドイツ。ドイツ観光局は2015年、同局の観光テーマとなった「ドイツの観光街道」の最重要事業とするインターナショナルフォトコンテストを実施し、今年4月にドイツ東部のマグデブルクで開催されたドイツ最大の旅行商談会「ジャーマン・トラベル・マート」(以下、GTM 2016)にて、その結果発表を行った。
本コンテストは、ドイツ観光局が在外拠点を置く国と地域のプロのフォトジャーナリストを対象に実施されたもので、最終的には23ヶ国から48名のジャーナリストがコンテストへの応募があり、エントリーされたジャーナリストには出身国に応じ、コンテスト主催者であるドイツ観光局から撮影課題となる観光街道が割り当てられると同時に、観光という視点から最も印象的かつ魅力ある写真と、観光街道の取材と記事の配信が義務付けられた。
選考委員会にはドイツ観光局マーケティングコミッティメンバーをはじめ、連邦州観光局局長、ドイツ連邦経済エネルギー省の代表が名前を連ね、評価はオンライン上で観光地としての魅力、地域色、写真芸術の観点から総合的に行われた。
そうしたフォトコンテストに日本から唯一エントリーしたのが、フォトジャーナリストの渡辺七奈さん。「ロマンチック街道」を割り当てられた渡辺さんはその結果、見事に最優秀賞第2位に輝いた。
これを受けドイツ観光局の日本オフィスが去る5月31日、都内のレストランでプレス関係者を招いての記者発表と渡辺さんの表彰式を行った。
入賞した渡辺さんには、ドイツ観光局 アジア・オーストラリア地区統括局長のレイカート・ケッテルハーケ氏が、GTM 2016の会場で預かってきたというベルリン旅行の目録を贈呈。さらにドイツのフラッグキャリアであるルフトハンザ ドイツ航空からも、2014年の秋に同社が導入したプレミアムエコノミークラスでのドイツ往復航空券が進呈された。
街道を旅した渡辺さんが、その間に撮影した膨大な数の中から応募作品として選んだ1枚が、ドイツの古城でも絶大な知名度を誇る「ノイシュヴァンシュタイン城」と、その奥にバイエルン王ルートヴィヒ2世の父が建てた「ホーエンシュヴァンガウ城」が一緒に収まった写真。渡辺さんは、絶好の撮影スポットであるマリエン橋が工事中だったことから、現地で新たな情報を入手し、この1枚をカメラに収めるために足場の悪い山道を、重い機材を抱え1時間も登ったのだという。
だが結局、このアングルから撮影されたノイシュヴァンシュタイン城は非常に珍しいという点が応募作品としての選定、またその先の受賞に至る大きな決め手ともなった。この写真が掲載された記事は、毎日新聞社のデジタルコンテンツ事業により2012年に開設された女性向けメディア「毎日キレイ」の関連サイト「kireilife.jp」と「Yahoo! Beauty」にて配信。記事の執筆は、トラベルジャーナリストの横井弘海さんが担当している。
ちなみに最優秀賞1位を獲得したのは、「古城街道」をテーマに撮影した中国出身の写真家 Dapeng He さん。最優秀賞3位が、「ドイツ・ワイン街道」をテーマに撮影した旅行関連のウェブマガジンの発行人で、スイス人ジャーナリストのマルティン・ホッホさんとなった。
コンテストの優秀作品は、すでにドイツ観光局ウェブサイトの「観光街道」のメディアギャラリーにて公開。さらにエントリー作品の中から「ベストフォト」に選定された16枚は、ポストカードのセットにして今後のプロモーションに活用されるのだという。
Germany's scenic routes
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