ドイツ観光局「ベルリンの壁崩壊30周年記念」でプレス発表会を開催

2019年04月08日 掲載

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中国で起きた天安門事件からわずか半年後、ドイツの現首都ベルリンで誰も予想だにしなかった、歴史的な出来事が起きた。1961年から長らく東西ベルリンを分断していた分厚い壁「ベルリンの壁」の崩壊である。

衝撃的ともいえる平和革命はその後、ドイツに続けと言わんばかりに東欧諸国に民主化と独立の嵐をもたらし、それまで社会主義を標榜としてきた国家の体制が崩れ、続々と世界地図を塗り替えるきっかけとなった。2019年は、その歴史的な「ベルリンの壁崩壊」から30周年を迎える。


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(左より)ドイツ観光局 西山晃アジア・オーストラリア地区統括局長、ベルリン観光局のブルクハート・キーカー局長、ベルリン市文化振興機関のモーリッツ・ファン・デュールメン総裁



東西分裂時代、「スパイの巣窟」と化していたベルリンだが、壁崩壊により自由で寛容な文化都市へと大きく様変わりした。その結果、今では「アート」「グルメ」「イベント」を切り口に、ロンドン、パリに次ぐ「ヨーロッパのシティブレイク」のトップ・デスティネーションとして、世界各地からの来訪者を迎えている。

2019年のベルリンは、100周年を迎えるドイツの総合的造形学校「バウハウス」や、旧プロイセン・ベルリン王宮の跡地に再建が進められているヨーロッパ最大の複合文化施設「フンボルト・フォーラム」でも、国内外から大きな注目が集まっている。

そうした中でも、やはり目玉となるが「ベルリンの壁崩壊30周年」に関連したイベントの数々である。2014年に行われた25周年記念イベントでは、壁のあった場所に1万個のLED風船を配置し「光の壁」を再現。一つ一つには市民の思いが書き込まれた風船を、一斉に夜空に放つという幻想的なセレモニーが行われた。


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2019年11月4日から10日にかけて多数のイベントが予定されている



先ごろベルリン観光局長のキーカー氏とともに来日した、壁崩壊記念の文化事業を運営するベルリン市文化振興機関(Kulturprojekte Berlin)のモーリッツ・ファン・デュールメン総裁によると、30周年では1989年から90年にかけて民主化に関連する歴史的事件が起きた7ヶ所に、当時の人々の思いを想起させるインスタレーションを映し出す計画だという。

こうしたハイライトとなるイベントは、2019年11月4日から10日に集中。特に11月9日には、現在の多様化したベルリンを象徴するかのように、様々なジャンルの音楽を取り入れたステージイベントがオールナイトで催される。オープンエアで行われるこれらのイベントは、すべて無料で楽しめる。


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壁の上で歓喜に湧くベルリン市民
© Landesarchiv_Berlin



30年前、政治記者として崩壊した壁に上って身体で喜びを表現したというキーカー氏の『勝ち取った民主主義は、日々戦って守り続けていかなければ簡単に奪われてしまう』という言葉が胸を突く。「ベルリンの壁崩壊30周年」の記念イベントは、確かにお祝いでもある。でも、それ以上に戦争により国家と都市を分断されたドイツ国民にとっては、当時を振り返ったり、民主主義や自由であることの大切さを噛みしめたり、私たちが想像する以上に深い思い入れのある厳粛な瞬間でもある。

壁の崩壊から30年が経過し、ドイツ国内にも冷戦時代を知らない若者が増えている。ベルリン市内には、そうした世代に自らの歴史を伝えるため負の遺産も数多く残されている。2020年にはドイツ再統一から30年記念も控えている。この機会にベルリンを訪れ、生まれ変わった今のベルリンを楽しむとともに、市民と祝い、そして負の歴史にも向き合ってみる、そんな旅もお勧めである。

Visit Berlin

ウェブサイト

https://www.visitberlin.de


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