コロナ後の旅先をお探しなら、新スポットとメモリアルイヤーが満載のドイツ・ザクセン州へ
ドレスデンを起点に楽しみたい近郊の街歩き
ザクセン州の魅力は、州都ドレスデンに留まらない。ここではゲルトナー氏おすすめの町や注目のスポットをまとめて、簡単にご紹介しよう。
◆ 950年の歴史を誇る町ゲルリッツ
ドレスデンの北東およそ110キロ、ナイセ川を挟みポーランドと国境を接するゲルリッツは、第二次世界大戦の被害を免れたドイツでは希少な町。「ドイツで最も美しい町」との呼び声もあり、ゴシックからユーゲントシュティール様式まで、文化財として保護指定された4,000もの建造物が織り成すその街並みは、まさに壮観。
別名「ゲリウッド」とも呼ばれ、『グランド・ブタペスト・ホテル』(2014年)や『愛を読むひと』(2008年)など、数々の映画作品のロケ地にもなっている。
2021年には、この街が最初に文献に登場してから950周年を迎えた。また、2022年5月には、町にあるシナゴーグが再オープンしている。
◆ ドレスデンより古い歴史を持つマイセンと、300周年を迎えたマイセン磁器
「マイセン」と聞けば、誰もが思い浮かべる高級磁器。町の名を冠したこの「白い金」がヨーロッパで初めて製造されてから、2022年で300周年を迎えた。磁器が作られたのは、エルベ川を望む小高い丘に聳えるアルブレヒト城内だった。
ザクセン選帝侯領600周年にあたる今年、このアルブレヒト城ではザクセンを829年統治したヴェッティン家の王たちの歴史を振り返る特別展が予定されている。
レストラン選びに迷ったら、マルクト広場近くにある「ヴィンツェンツ・リヒター」へ。この店は、今年150周年を迎える町一番の歴史を誇るワイン酒場。ユニークな屋根がある木組みの家屋と美しい中庭が印象的で、ドイツ随一のロマンチックな場所で、旧東ドイツ時代から繁盛していた人気店。オーナーが代々趣味で収集してきたアンティークの数々が、店内に飾られている。日本ではなかなかお目にかかれない、地元のマイセンワインが堪能できる。
◆ 自分だけの星作り体験が楽しめる町 ヘルンフート
「ヘルンフートの星」は、クリスマスの時期にドイツの家庭や町中に飾られる星飾りの起源。今から300年前、モラビアとボヘミア(いずれも現在のチェコ)からカトリック改革によって追われてきた宗教難民たちが、ドイツ敬虔主義の指導者ツィンツェンドルフとともに、この町に工房を作ったことに由来する。
町にある工房では、オリジナルの星作りが体験できる。クリスマスの時期なら特に要チェックの町。
◆ エルツ山地の王冠 アウグストゥスブルク城
2022年に450周年を迎えた「アウグストゥスブルク」は、エルツ山地の入口にあるザクセン最大級の城。城内には、自動車産業の起源ともいえるヴァンデラーやDKWなど、珍しい車種をコレクションしたヨーロッパで最も重要なオートバイ博物館や、選帝侯モーリッツの弟アウグストのルネサンス様式の狩猟小屋がある。
◆ ルターが活躍した町トルガウ
ライプツィヒの北東にある、かつてザクセン選帝侯の居城が置かれた町。初めてこの町が文献に登場してから今年で1050周年と、桁違いの歴史を誇る。16世紀の町並みが残るトルガウは、宗教改革で2番目に重要な地。町にはルター自身が献堂式を執り行った、世界で初めてのプロテスタント教会がある。