くるみ割り人形の故郷、ザイフェンを訪れる

2012年12月17日 掲載

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くるみ割り人形の故郷、ザイフェン

くるみ割り人形の故郷、ザイフェン



ドレスデンはもちろん、ドイツ各地のクリスマス・マーケットを歩いていると、必ずといって良いほどくるみ割り人形、スモーキング・マン、クリスマスピラミッド、クリスマアーチといったクリスマスの装飾品を売る屋台です。
これらの工芸品は、ドレスデンから南へ車で約1時間半、チェコとの国境に程近いエルツ山地村にあるザイフェンという村からやって来るのをご存知でしょうか。ドレスデンが「クリスマスの首都」と言われる所以はそこにもあります。

ザイフェンはその昔、錫など鉱業で栄えた村ですが、19世紀中ごろに鉱脈が尽きたのを期に、それまで鉱夫たちの副産業であった木工民芸品を主産業として発展するようなった人口2700人程度の小さな村です。そして、「くるみ割りの里」として知られるザイフェンには、そうした伝統工芸品を製造販売する工房がたくさんあります。

ザイフェンの木製品の大きな特徴はろくろを使って木材カットしたり、装飾を施すという技術です。ザイフェンの人形やおもちゃにある滑らかな優しい丸みや曲線は、こうした技術によるものです。小さな木片が、あっという間にかわいらしいモミの木へと変貌するその様には感嘆。ドイツ人の持つ精密さや細やかさと一緒に、「メルヘンの国」に住む人々のセンスも垣間見られます。

くるみ割り人形にせよピラミッドにせよ、ここで生まれる玩具のモチーフは、兵隊や鉱夫など、ザイフェンやザクセンを象徴するものが多くみられます。半円の壁飾「シュヴィープボーゲン」の図柄はことに典型的で、陶磁器のマイセンの紋章、鉱夫、職人とレースを編む女性と、ザクセンの工芸品が集約されています。

工房の一角では、子供たちのためのワークショップも開催

工房の一角では、子供たちのためのワークショップも開催

また19世紀頃、クリスマスシーズンになると教会へ行き、歌を歌い、家計の助けとしていた姿だというザイフェンの子供たちをモチーフにした人形や、マフラーをまいた子供がプラム人形を売っている様子を模したプラム人形は、干したプラムに針金や糸を通して繋いだクリスマスの人形の一つとしても知られています。ザイフェンの玩具には、そうした人々の伝統的な生活や思いが込められてます。

ザイフェンにある工房の一角では、子供たちのためのワークショップもたくさん開催されています。時々様子を見に姿を現す職人さんや、引率してきた先生にアドバイスをもらいながら思い思いにクリスマス用のオブジェを製作するその様子からは、伝統を大切にするドイツ人のぬくもりが感じられます。

こうしたワークショップは月曜から金曜までの毎日開催されています。事前に予約さえすれば誰でも参加可能で、食事や宿泊とセットになったプランもあるそうですので、日程に余裕があれば是非訪れてみたい場所の一つです。恒例の「おもちゃパレード」(開催日は要確認)は、特に家族連れやカップルの方にお勧めです。また、ザイフェンにまで行けないという皆さんは、クリスマスマーケットの方でその技をご堪能下さい。



Seiffener Weihnachtsmarkt

開催日

2012年12月1~23日

ウェブサイト

http://www.seiffen.de/weihnachtsmarkt

情報提供:ドレスデン観光局

画像・動画:(C) Mari Wakai


(写真はイメージです)

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