「SDGs」に向けたチリの取組み 2020年環境パフォーマンス指数 ラテンアメリカ・カリブ諸国で1位に
環境保全や貧困・ジェンダー問題などの解決に向けた様々な目標が設定されている持続可能な開発目標「SDGs」。世界中がこの「SDGs」へ目を向ける中、チリが2020年の「環境パフォーマンス指数(以下、EPI)」おいて、ラテンアメリカとカリブ諸国で1位となった。
この「EPI」とは、180ヶ国の政府・民間による環境政策のパフォーマンス(実績)や環境の持続可能性を、様々な項目から分析・数値化し、イェール大学環境法政策センターが隔年、国別にランキング付けして発表する指標のことで、チリでは様々な分野で環境保全のために取り組みを進めている。
持続可能性に向けたチリの取組みの一つは、ワイン業界にも及んでいる。「Wines of Chile USA」エグゼクティブ・ディレクターのフリオ・アロンソ氏によると、チリのブドウ園の80%以上が持続可能性認定を受けており、これはコロナ禍で消費者がワインを購入する際の新しい動機付け要因にもなっている。
また、ワイン評論家でガイドブック「Descorchados」の2020年版著者パトリシオ・タピア氏も「チリの気候はブドウの有機栽培、バイオダイナミック農法に適しており、チリではこのような方法への関心が高まっている。多くの生産者が認定を受けていないものの、実際には有機栽培を取入れているワイナリーは数多く、興味深いことに最低限の介入でブドウのみで造られるワインは純度も高く期待が持てる」と言及している。
チリワインの日本向けの輸出も32%上昇し、巣ごもり需要の高まりと共にさらに注目を集めている。チリでは今後の発展にとって持続可能性を最も重要な課題と捉え、業界を超えて協力して取組んでいくとしている。