3名峰を正面に望む景勝地「シーニゲ・プラッテ」

更新日 : 2015年11月27日

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Schynige-Platte-Bahn-3

気分爽快!シーニゲ・プラッテ鉄道のオープンエア・レトロ車両



レトロな客車に乗って景勝地シーニゲ・プラッテへ


ヴィルダースヴィル駅

ヴィルダースヴィルから出発する
「シーニゲ・プラッテ鉄道」(1893年開通)

「シーニゲ・プラッテ鉄道」は、麓のヴィルダースヴィルから正面にベルナーアルプスの3名峰を望む景勝地のシーニゲ・プラッテまで、高低差約1380メートルを約50分で結ぶ、ユングフラウ鉄道グループ運営の登山鉄道である。1893年に開通した。
運行期間は5月下旬から10月中旬(2016年は5月28日~10月23日)で、「ユングフラウVIPパス」の適用区間でもある。

電化から100年を迎えた歴史ある機関車と客車は現役。機関車には、それぞれにアルプスを象徴する花が描かれている。客車は、赤と黄色のボディでお馴染みだが、窓のない車両や、よりレトロ感のある車両がお目見えすることもある。

この「シーニゲ・プラッテ鉄道」に乗るには、インターラーケン・オスト駅からベルナー・オーバーラント鉄道(グリンデルワルト行き、ラウターブルンネン行きどちらも可)に乗り、始発駅のヴィルダースヴィルへと移動。そこで下車して待っていれば、発車時刻に合わせて列車がホームに入って来る。個人で利用する際には、乗車時に自由席かどうかを確認する必要がある。ボックスが予約されている場合は、扉に案内札が掛けられている。


シーニゲ・プラッテ駅

ハイカーや観光客で賑わう
シーニゲ・プラッテの頂上駅

山頂駅やそこから伸びる周遊ハイキングルートから、終始アイガーやメンヒ、ユングフラウの雄姿が望めるシーニゲ・プラッテは、2014年6月に皇太子徳仁親王が訪問されたことで、日本でも話題となった。
ここはまた、ポスターや写真集の撮影ポイントとしても有名で、可憐なアルプスの花々が台地を埋め尽くす夏には、多くのハイカーや観光客で賑わう。

シーニゲ・プラッテ鉄道の車窓からは、途中まで進行方向に向かって左手側にブリエンツ湖やトゥーン湖が一望でき、やがて頂上が近づいてくると右手側の視界が開き始め、そこに待ってましたと言わんばかりにアイガー、メンヒ、ユングフラウの大パノラマが突如現れる。
ベンチ型の長い座席、右に陣を取るか、左に陣を取るかはお好みで。



画家ホドラーも好んで描いた風景


ホドラーポイント

ホドラーがスケッチした展望台
「ホドラーポイント」

シーニゲ・プラッテは、グスタフ・クリムトと並ぶ世紀末芸術の巨匠フェルディナント・ホドラーが好んで描いた風景が、今も変わらずに広がっている場所の一つである。

ヴィルダースヴィルとシーニゲ・プラッテの途中にある、長閑で可愛らしいレトロな駅舎が残るブライトラウエネン駅(Breitlauenen)は、眼下にブリエンツ湖やトゥーン湖を望む絶景スポット(標高1542メートル)。約120年前には、ここにも宿があった。

このブライトラウエネン駅の少し手前、進行方向に向かって左側に、黒いクマが描かれた赤と黄の旗がたなびく展望台がある。
ここは「ホドラーポイント」と呼ばれ、ホドラーが絵画『ブライトラウエネンからのブリエンツ湖』 «原題:Der Brienzersee von Breitlauenen aus»(1906年/油彩・キャンヴァス/52×72センチ)を描いた場所でもある。


ブリエンツ湖

ブライトラウエネンから見たブリエンツ湖

1904年からトゥーン湖をモチーフに作品を描くようになったホドラーは、1906年と1908年にシーニゲ・プラッテに登り、山頂のホテルに宿泊しながら、幻想的な山々を描いたという。
先述の作品以外にも、ホドラーは『シーニゲ・プラッテ途上からのトゥーン湖』 «原題:Der Thunersee vom Weg zur Schynigen Platte aus»(1906年/油彩・キャンヴァス/65×95センチ)や、『朝陽のアイガー、メンヒ、ユングフラウ』«原題:Eiger, Mönch und Jungfrau in der Morgensonne»(1908年/油彩・キャンヴァス/67×91センチ)、『トゥーン湖の夕霞』«原題:Abendnebel am Thunersee»(1908年/油彩・キャンヴァス/68×93センチ)といった数々の作品を、シーニゲ・プラッテとその周辺で描いている。

このブライトラウエネンから山頂まで、約2.5キロのハイキングコースがある。所要時間は上りが1時間半、下りは1時間が目安。ホドラーが見て感じた世界に浸りながらのハイキングも、シーニゲ・プラッテならでは醍醐味と言えるだろう。


ブライトラウエネン駅      ブライトラウエネン駅のカフェ

長閑なブライトラウエネン駅(左)と
駅舎にある民家のキッチンのようなカフェ(右)



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