ヨーロッパ巡礼の旅

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サンチャゴ・デ・コンポラスへの道

豊前 華



クリックすると拡大します。


はじめに


サンチャゴってどこにあるの?、と聞かれそうです。
中には、チリの首都ですね、とおっしゃる方もいるかも知れません。
実はサンチャゴ・デ・チリ、つまりチリのサンチャゴも、この街のことが、意識の中にあって名付けられました。キリストの十二使徒の一人である聖ヤコブにちなんで付けられた名前です。

伝説によると、イスラエルで処刑されたサンチャゴの遺体は、スペインの西北端のガリシア地方のこの街に運ばれ、今も葬られています。この遺体にお参りするために、十世紀頃にはすでに巡礼の記録が残っています。

その後この地への巡礼は増え続け、現在ではイエルサレム、ローマと並んで、ローマン・カトリック教会の三大巡礼地の一つとなっています。
ローマの聖ペトロ教会がペトロの遺体の上に建てられたように、ヤコブの遺体の上に聖ヤコブ教会が建てられています。

何故この地への巡礼がこんなにも盛んになったのでしょうか?
私見ですが、これにはイベリア半島をめぐるキリスト、イスラム両教徒の長年にわたる血みどろの戦いが深く影を落としています。
イスラム教徒は732年にはイベリア半島からピレネー山脈を越え、フランスのトールとポアチエの間で当時のフランク王国のカール・マルテルとの戦いに敗れています。それからイスラム勢力をイベリア半島から北アフリカに追い返すのが1492年、そうですアメリカ大陸発見の年までかかっています。
その間サンチャゴ巡礼は丁度十字軍のような役割を果たしたともいえます。

私がこの街を訪れたのは1993年7月23日で、聖なる年の25日の大祭を前にして、ようやく街全体がお祭の期待に活気に満ちていました。
次の聖なる年は1999年。来年から三年がかりで、パリを起点にサンチャゴまでの巡礼路を皆さんと一緒に辿って見よう、それがこの企画です。


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