Part 9: エトルタ

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アヴァルの崖と波食アーチ、その右に「エトルタの針」




ルーアン発 08:07分のル・アーヴル行きでエトルタをめざす。
ブレオーテ・ブーズ(BREAUTE-BEUZ)で2両編成のディーゼルに乗換えフェカンへ。
フェカンでは荷物預かり所がなかったが、駅員が「日中だけなら」と預かってくれる。バスの出発時刻までに朝食と町の散策を済ませ、駅前の丘の上のバス停からエトルタへ。

エトルタまでのバスも乗客は2名という寂しさ。町を出るとなだらかな牧草地が海まで続くのんびりとした風景の中を走っていく。急に曲がりくねった下り坂を降り始めた。YPORT という町に寄るためだが、ここでも誰も乗降しない。運転手は早めにバスを発車させる。

また崖の上のなだらかな景色に戻り、牛が草を食む風景を眺めながらエトルタへ。予定より5分早く、観光案内所前のバス停に着いた。
観光案内所で地図をもらい海岸に出る。凄い風が吹いている。時折押し寄せる荒波が堤防を越えて波しぶきが飛散する。ここから見る両側の80mの崖は、さすがに迫力がある。

まずは左側のアヴァルの崖に登る。堤防の端から階段がついており、途中から砂利道に変わる。崖を登る危険については、登り口に大きな立て札があるが、上方には注意書きも柵もロープもない。注意するのは個人であって行政ではないということだろう。美観上からも好ましい。

  

アヴァルの崖を登る(左)、崖には立て札も柵もほとんどない(中央)、登り切れば平坦な緑の広がる台地(右)



日本の場合、行政が責任を問われないように、立て札や立入禁止の柵では足らず、ご丁寧にも「お気をつけ下さい」のアナウンスまで付いてくる。おまけにみやげ物屋やお食事処の看板だらけである。

ヨーロッパを旅していると、観光地に限らず町づくりにおいても「何を自己責任に任せ、何を規制すべきか」という点で教えられることが多い。
とはいうものの、崖の先端はいくつもの突起に別れ、垂直に切り立っているのでなかなかスリルがある。風も強いし、至る所で崩れかかっている。崖の先端に近づくには相当の覚悟が必要である。

アヴァルの崖は有名なアーチと「エトルタの針」を持ち、どう見てもアモンの崖より魅力的なので、観光客はまず先にアヴァルの崖へ登りたくなる。しかし標高差が80mもあるので、まず最初にアモンの崖に登ることをお薦めしたい。
アヴァルの崖と町の全体が見渡せて絶好のシャッター・チャンスを保証できる。アモンの崖に登ってくたびれれば、アヴァルの崖は登らなくてもそれほど惜しいとは思わない。
アヴァルの崖を降り、海岸沿いのテラスに戻ってくる。相変わらず波は荒く、気を付けてないと波しぶきでずぶ濡れにされてしまう。

アモンの崖は海に向かって反対側にある。堤防を町の右端まで歩いて行って、端にある建物の上まで階段を登る。そこからさらに崖の上方へ続く階段が整備されている。
両方の崖とも標高差80mを登ることに違いはないが、アモンの崖は登りやすいし、町から迂回する道を通って車で登ることもできる。崖の上はフラットで、小さな教会と博物館に駐車場がある。

 

テラスから見たアモンの崖(左) と 崖の上の教会(右)



写真を十分に撮り、景色も堪能したので、丘を降りて昼食に。
明日は日本へ帰ることだし、ノルマンディー最後の昼食はちょっとしたレストランで名物の牡蠣に、魚貝類のスープ、ヒラメのムニエルに白ワインをオーダー。牡蠣とスープは旨かったが、ヒラメは少し大味だった

おまけに、ゆっくりとしたサービスはいいのだが、バスの時間が迫ってきた。出されたヒラメを大急ぎで詰め込み、事情を話して早々に会計を済ませて観光案内所の前のバス停に急ぐ。

エトルタの観光案内所


バスの到着が13:05で出発時刻は13:15。バス停には13:06に着いたのにバスの姿はない。それから13:30まで待ったがバスは来ない。仕方がないのでTAXIを呼んでフェカンに戻った。



【ミニ・メモ】  Etretat (エトルタ)


ル・アーヴルから北へ約30kmに位置する漁村・臨海リゾートで、夏は海水浴客で賑わう。

パリ盆地の西縁部をなす白亜の台地が直接に英仏海峡に臨むので、波食作用が強く、高さ80 ~ 85mの白亜の崖が作られた。白亜の堆積条件の違いのため、地層に美しい縞模様が現れているのが見られる。

町の中心部が海に面する部分は Terasse du front de Merという堤防上の散歩道になっており、その前にビーチが広がる。この部分は平坦で海面とさほど差はないが、その両側は80mの高い崖が海岸まで迫っている。

エトルタの海岸美はノルマンディー随一と言われ、海に向かって右側にアモン(Amont)の崖、左側にアヴァル(Aval)の崖が広がっている。アモンの崖の上には教会があり、アヴァルの崖の方は海に向かって突出して岬をなし、有名な波食アーチと海面から突起した「エトルタの針」がある。

古くから海水浴場として開け、クールベやモネなどの画家がこの海岸に魅せられ多くの絵を残している。モーパッサンが好んで逗留したこともある。また、牡蛎の養殖でも知られ、生牡蛎はエトルタのレストランの名物となっている。


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