時の人・旅の人

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吉村作治早稲田大学客員教授
早稲田大学古代エジプト調査室室長

吉村作治氏

「地球探検塾」で若者の冒険心を支援

「うーん、インターネットね。あんな膨大な情報を何故無料で流し続けていって良しとするのか、正直なところまだよく分からない。しかし、やがて価値ある情報を有料で的確に販売する方法など、いろんな可能性が生まれてくるのでしょうね」
でも、「『地球探検塾』の報告書などインターネットを使えば、もっと安く大勢の人に見てもらえるかも知れない」と、すかさずフォローするあたり、やはり頭の構造は柔らかい。

96日間世界一周のグランドクルーズで途中乗船、数日間のレクチャーを担当したが、その時「ついに吉村教授誕生とのニュースが伝えられても4月1日だったので一瞬誰も信じなかった」という伝聞を切り出したら、「3月27日に下船しているので嘘ですよ。でも面白いことはいいことですね」と破顔一笑した。

吉村式自然流の極意というか、何事もプラス指向で次々と前に進んで行く。トレードマークの口髭とそんな柔らかさが、人気の秘密か。総勢50人の所帯を取り仕切る早稲田大学エジプト調査室担当教授というより、今や大学全体を代表する名物教授。経済界はもとよりいま流行りのマルチメディアの世界まで、このところライバルの慶応にリードされっぱなしの早稲田にあって、ひとり気を吐く「早大広報担当部長」でもある。

金のかかる古代エジプトの発掘調査のため、TV番組の出演から講演、著作と資金集めのため東奔西走する超多忙人間なはずなのに、3年前、私財をつぎ込み「地球探検塾」を開講した。

「今時の若者は、小さくスマートにまとまってしまってすっかり冒険心がなくなってしまった。地球はまだまだ私達をわくわくさせる好奇心に溢れている。若い人達が自分の研究テーマを見つけ、実現に挑む。そんな若者の冒険心を少しでも応援しようとはじめたのが、地球探検塾です」。往復航空運賃の提供先などを求め、自ら航空会社を口説き廻った。すでに合計3回、グランプリ以下の各賞30人の探検計画を選び、現地調査のための往復航空券や賞金を提供した。その成果を「探検報告書」としてまとめ世に問いはじめている。

「ただ当初、若者の関心がもうもうと盛り上がると思ったのですが、計算違いでしたね。クールというか冷めているというか、思ったほど期待したような冒険心が今一つ発露されてこない」。そのため、応募数を拡大するというより、むしろ探検塾の運営協力者である「探検インストラクター」を中心に、重心を移し変えて行く予定という。

「今の時代は今の時代として、ある程度状況に合わせて行かなければならないということなのでしょうね。それにしても、若者達を育てようという親の熱意や、意義のあることに積極的にサポートしようという企業が少ないですね」。だから、がんばり続けるとも言う。


インターネット活用では目下、世界のエジプト研究者との情報交換を目的とした「早稲田大学古代エジプト調査室」(http://www.Waseda.ac.jp/proj/w-egypt/)のほか、その下部組織で古代エジプトに興味をもつ会員で組織している「ピラミッドクラブ」(http://www.gs-sekitei.co.jp)、そして自ら企画・制作の総指揮をつとめたピラミッドの謎解きゲームソフト「ANKH」(CR-ROM)(http://www.ray.co.jp/)が主宰する各ホームページで、情報を発信する。


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