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カリフォルニアの新しい風を楽しむ | |
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州都サクラメントから高原リゾート・レイクタホへ | |
写真=豊かな農村地帯 エルドラド郡アップヒルの秋 (ボーガー・ワイナリー:Jill E. Nauman氏撮影) ■ 日本の国土面積より広いカリフォルニア州 いうまでもなくカリフォルニアは、アメリカ合衆国を構成するひとつの州に過ぎない。だからアメリカの旅というとどうしても、ハリウッドやサンフランシスコ、シリコンバレーなどといった代表的な都市やポイントを指すにとどまり、一般的な日本人観光客にとっては、その先の奥座敷にまでなかなか関心が届かない。東京や京都を見て日本観光を楽しんだとする外国人観光客と同じようなものだ。 そのためもあって、カリフォルニア観光は海岸沿いの代表的な数都市かヨセミテ国立公園などの一部地域に留まり、なかなか面としての広がりがつかない、というのがプロの旅行業者の悩みでもある。それどころか、近年はラスベガスやグランドキャニオンなど一足飛びにカリフォルニアを飛び越え、内陸部の観光スポットに客足を奪われはじめたともいうから大変だ。そのカリフォルニア観光をどうしたらもっと日本の観光客に楽しんでもらえるのか−−という呼びかけに応じ、旅コム編集部も現地で開催された旅行業者達の商談会に参加、その一端を探ってみることにした。 何しろ、アメリカ合衆国のひとつの州にすぎないといっても、日本全体がそのまますっぽり入ってしまうほどカリフォルニア州はビッグだ。 1年を通じて温暖で寒暖の差が少ない快適な地中海性気候という好条件に恵まれている上、長い海岸線から数千メートル級の山岳地帯まで適度に変化に富んだ地形と、かつ米国でも有数の肥沃な農業地帯を持つ−−いわば世界でも最も恵まれた自然環境を有するといってよい。その上で、交通・通信網が四通八通し、世界最先端のテクノロジーが生活の隅々にまで行き届いている。大きな家に住み豊かな自然や文化を楽しむことが当然の権利のように日常生活の隅々を支配する。その昔ゴールドラッシュに沸いた金の発見地ということばかりでなく、人間が辿りついた文明社会の頂点を楽しめるという意味においても、カリフォルニアはゴールデン・ステートなのである。 | |
60年代から70年代にかけ世界の若者を捉えたロックのリズムやヒッピー文化は、ここで生まれ世界に伝播していった。いつの世でも世界の若者達を捉えることのできる文化は、豊かな土地でしか生まれない。 その自由の風を世界に向かって発信し続けてきたのがアメリカであり、その中心となったのがカリフォルニアである。その後の高度情報社会(IT文明)もカリフォルニアを中心に世界に広がっていった。そして今度は、ロハス(LOHAS=Life of Healthy and Sustainable)だという。 BSE牛問題の強引な手法に米国への不信感を拭えない日本人にとって、「食文化に無神経なアメリカ人」という印象はなかなか拭いきれない。 |
写真=ファーマーズ・マーケット (Jill E. Nauman氏撮影) |
しかしその日本人と同じくらい食の安全性に心を痛め、その対策に躍起となっているアメリカ人も決して少なくないのも一方の事実だ。イラク戦争をはじめたブッシュ政権を声高にサポートする国民が約半分を占める一方、それに反対するアメリカ人も半分いる。良くも悪くもその多様さを持つのがアメリカだ。
そうでなければ、世界でも最も厳しいといわれる環境保護団体シエラ・クラブが着実に勢力を伸ばしたり、地球温暖化の歯止めとなる京都議定書の批准を声高に要求するNPOが活発な運動を展開することなど理解できない。単眼では理解できない。それがアメリカの魅力でもあるのだ。そして、個人主義が徹底しているだけに新たな運動に一旦火が付き始めると、それが着実に増殖し、やがて世界に広まってゆく。そんなパワーを秘めている代表的なところが、ニューヨークでもないミネソタでもない、米国西海岸のカリフォルニアなのである。 サンフランシスコの新しいエコグッズ・スポットであるショッピング・センターを訪れてみるのもいい。このところ急成長を遂げているという郊外のオーガニック食品の専門店を覗いてみるのもいい。ナパやソノマにワイナリーを訪ねカリフォルニア・ワインの薀蓄に耳を傾けてみるのもいい。そして時には、ゴールドラッシュ時代の居酒屋で陽気に歓声をあげ、スケールの大きな高級リゾートでダイナミックなアクティビティを楽しんでみるのもいい。首都サクラメントを中心とした奥深く新しいカリフォルニア観光の魅力を紹介しよう。(高梨洋一郎) |
取材協力:カリフォルニア州観光局 最終更新日:2006年5月16日 |
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