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イングリッシュカフェで朝食を


 ここで書くのはイギリスでいうカフェであって、私たちが日本で想像するフランス式のお洒落なCafeではない。敢えてこういう言い方をするのは、イギリスのカフェはそれらからちょっとかけ離れているからなのだけど、割りとどこにでもあるものだからだ。もちろんロンドンにだってお洒落なカフェはある。ソーホーなどのトレンディエリア、チェルシー、ハムステッドなどの高級住宅街には素敵なカフェが沢山ある。だけど、そうでないごく普通のエリアでいうカフェとは朝から夕方まで朝食メニュー(いわゆるイングリッシュ・ブレックファスト)が食べられる食堂のようなところだ。もちろんお茶だけでもOKだ。
ロンドン南部のよくあるカフェ店内。ちょっと陰気
 椅子とテーブルはたいてい古く、大衆食堂っぽい感じ。ファーストフード店にような固定式の椅子とテーブルの安っぽい感じのところもある。朝食がいろいろな組み合わせで食べられるのが、ここの特徴で、卵、ベーコン、ソーセージ、ビーンズ(豆のケチャップ煮)、トマトにチップスそれにトーストを好きに組み合わせで、また一日中いつでも食べられる。イギリスでおいしいものを食べたかったら朝食を食べろ、といったのはサマセット・モームだが、それをそのまま皮肉のように実行しているのがこれらの庶民のためのカフェだったりする。朝から夕方だいたい5時ごろまで、エリアによって様々な層が訪れる。最近ヤッピーに好まれているイズリントンのエンジェル当たりではトレンディな若者が集まるような店が多いが、ちょっと外れたエリアではコックニーを話す普通の人達が集まる。
 セブンシスターズというゾーン3で、カリビアン系の人が多く住むエリアにい時、たまたま新しくできたカフェに入ってみた。カリビアンと思われるビッグマザーみたいな人が中にいて、例によって片手間のF&Cの他に彼女の得意料理と思われるメニューがいくつか壁に貼ってある中、私はシチューというのを頼んだ。まあ、マッシュポテトにビーフシチューをかけたものだが、彼女の国ではよくある家庭料理らしい。なぜかこういうビッグマザー系はとてもフレンドリーで、混んでない店内では自分の身内のことを話し出したりする。
 フレンチスタイルのオープンエア
 カフェ。ソーホー。
 また、ソーホーなど中心地ではイタリアンカフェも多くある。たいていイタリアのケーキとともにエスプレッソが飲めるところで、働いている人もイタリア系、店内もイタリア調で明るい。コーヒーがおししいので、外国人や若者に好まれる。中にはパスタやピザの食事ができることろもある。イタリアからの移民がかなりいるため、イタリアの食材を売る店も意外に多くロンドンに存在する。ロンドン以外でもこのイタリアンカフェがあり、イギリスの地味なカフェとは異なる文化を提供してきた場でもある。
 ケンジントンなどフランス系が住むエリアはやはりおいしくお洒落なベーカリーやフレンチカフェが存在する。またタイカフェなんていうのもロンドンの北にあり、タイの家庭料理が食べられたりする。チャイナタウンには中国菓子みたいのを食べながらお茶ができる店もレストランに囲まれ、地味ながら存在する。ここにいるとアジアの街角にいるみたいだ。
 最近やっと和食がイギリスに浸透してきたし(スーパーマーケットで日本製の食材が売られている)、無印良品なんかは人気だし、純和風の御茶屋みたいなのをソーホーあたりにオープンしたらどうでしょう。店内は民芸調でまとめ、ウエイトレスはもちろん着物で和菓子と抹茶を出す。結構繁盛するんじゃないかなあ、と思いますがいかかでしょう。


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