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国際色豊かなテイクアウト店


 さて、ロンドンにはF&C以外にも様々なテイクアウトの店が存在する。ケバブ、チャイニーズ、そしてカリビアンと国際色豊かな都市を象徴しているようだ。場所によって住んでいる人種も違うので、本格的な味を求めるなら、そのエリアに行くのが良い。何しろその人種が住んでいるので味は本物、競争もあるから値段も押さえめだからだ。
町中にあるケバブ屋
 先ず、ポピュラーなのはケバブ。アメリカではシシケバブといって焼き鳥にように串にささっているラムの肉はイギリスではピタパンに挟まっている。ケバブの店ではラムの巨大な肉の塊がぐるぐる廻っているので、頼むとそれから削ってくれる。トマト、きゅうり、キャベツなどの野菜とチリソースもピタパンに挟み、だいたいスモールで£2.80位。イギリスではあまりステーキが食べられないので、肉が恋しくなった時にはおすすめの品。ちょっと臭みのある肉が、肉好きの人にはやみつきになってしまうくせを持っている。実際イギリス在住の日本人の友人は「私がイギリスでおいしいと思ったのってこれだけ」と言ってのけた。ラムの匂いがだめな人にはチキンケバブというのもあり、こちらの方が私は好きである。F&Cよりはケバブの方がはるかに栄養バランスの点からヘルシーだと思う。ロンドン北のストークニューイントンなどはトルコ人が多いので、おいしく、種類の豊富な店も多い(トルコ人のタクシー運転手もそう言ってたから確かなはず)。
サンドイッチバーに並ぶトッピング

 また、学校がロンドン南のニュークロスというところにあったため、この近辺に多く住むカリビアンのテイクアウトも試してみた。ライス+魚か肉みたいな組み合わせが多く、ちょっと野菜に欠けているが、チキンカレーなど、ライスにカレーをかけたものなどは、割りと口に合う。ジュースもジャマイカ直輸入の独特のパッケージが置いてあったりと、ちょっと異国情緒(?)も味わえる。店では地元のカリビアン系の黒人が井戸端会議をしてたりする。
 ロンドンだけでなく、イギリス中どこにでもあるのがチャイニーズのテイクアウト。どちらかというとアジア系のお客さんが多いようだ。日本人にとってはまずいイギリスの食事に飽きたときの救世主のようなもので、白いごはんから炒飯、麺、スープまで1品£2〜3程度で持ち帰りができるのは、嬉しい限りなのだ。私は日本人というだけで、おまけをしてもらったり、親しく話しかけられたりしたことが何度もあったりと、一瞬アジアに帰ったような、ほっとした気持ちになるのも嬉しかった。
チャイナタウンのテイクアウト店。
ここはお菓子と菓子パンがメイン。
 さて、現地人であるイギリス人で、F&Cを食べない派が腹ごしらえやランチにテイクアウトするもの、それはサンドイッチである。トランプをしながら食事ができるように考えられたというエピソードもいかにもイギリスらしい。そいうわけでイギリス人は早い、安いとお手軽なサンドイッチが大好きだ。繁華街やオフィス街に必ず見つかるサンドイッチ・バーは昼時にはビジネスマンやOLで列ができる。サンドイッチの中身も実に素朴でローストビーフ、チキン、ベーコン、卵、プラウン(小海老)、チーズなどを基本に、マヨネーズなどで味付けされたトッピングが、店のウインドーに並べられている。これらの中身とパンの種類を選び、バター、塩、胡椒の有無を答える。大体£1.50からでテイク・アウトであれば£3もかからない。また最近はBenji'sなどすでに出来合いのサンドイッチを安く売るようなチェーン店も出き、混み合っている。また比較的町中にあるM&S(マークス・アンド・スペンサー)ではランチにサンドイッチを買いに来る層をターゲットに、パックのサンドイッチ新製品がいつも並んでおり、おじさんやOLたちの食指を動かしている。
 やはりどこの国でもテイクアウトはコンビニ感が大事。早いうまい安いの3拍子が基本のようです。


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