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パリからバイヨンヌへの道を辿る



 サン・チャゴへの旅の起点ーーパリ


 サン・チャゴつまりヤコブ聖人のことを、フランスではサン・ジャックといいます。フランス語でリュウ・デュ・サンジャックといえばサン・チャゴへの巡礼路という意味とともに天空にかかる銀河のことです。
 銀河の彼方にサン・チャゴの街があります。もう一つこの巡礼の印である帆立貝の意味もあります。そうです、帆立貝のグラタンはコキール・デュ・サンジャックといいます。サン・チャゴはフランス人の生活の中にとけ込んでいます。
 東から北からパリに集まった巡礼者の群れがまず訪れたのが、セーヌ川右岸のHOTEL DE VILLE(市役所)にほど近いTour St-Jacpues(サン・ジャック塔)です。この塔は旧サン・ジャック・ラ・ブーシュリー教会の鐘楼で、巡礼路の出発点となっています。
 ここから巡礼は一路南へ、セーヌ河を渡り、シテ島ではノートル・ダム大聖堂を左に見て、サン・ジェルマン界隈を抜ける。ラテン区に入ると、右手にクリュニー美術館、ソルボンヌ大学の中を突き切って、左手にパンテオンを見て、かつてのヴァル・ド・グラース大修道院に達します。ここまでの道はRueSt. Jacq ue(サン・ジャック通り)と呼ばれています。
 この道はさらにRue du Faubourg St Jacqueと名を代えて天文台を右に見て、今はないサン・ジャック門まで続いています。 この道からほんの少し横道にそれるだけで、サン・ジェルマン、リュクサンブール公園、モンパルナスのカフェーがすぐ近くにあります。つまりサン・ジャック通りを歩けばセーヌの左岸の観光名所はほぼ訪問可能です。

    

 ロワール河沿いをオルレアンからトウールへ

ロワール河

 パリから南へ115kmのオルレアンはロアール観光の出発点で、この街を救ったジャンヌ・ダルクの名と共に有名です。
 ここからロアール河に沿ってブロワ、シャンボール、ショーモン、アンボワーズ、シュノンソーと数々の名城が建ち並んでいます。
 トウールからは道はロワール河と別れ、ポアティエへと向います。トウールの街の守護聖人は聖マルタンで、”巡礼の案内”にもサン・マルタン寺院にお詣りするよう指示されています。この寺院の原型はサン・チャゴの大聖堂に大変よく似ていたと伝えられています。今の聖堂は1860年に聖マルタンの遺体が再発見された場所に建てられたそうで、何やらサンチャゴの伝説に似ています。

トゥール/ザクロ屋敷

 私の独断と偏見でお薦めしたい訪問先はといえば、アンドレア・マンテーニャの祭壇画のある市立美術館と街から北へローヌ河の対岸のサンシールにあるバルザックの短編の舞台となったザクロ屋敷です。


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