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全長60mのウォータースライダー |
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それでは、世界一大きなカーニバルデスティニーとは一体どんな客船なのか?その魅力を探ってみよう。
乗船口からエントランスホールに入った所で、まず船客の度肝を抜くというのがカーニバルクルーズ社の得意技。今までの経験で、それは心得ていたつもりだが、9層吹き抜けのホールに、ピカピカとネオンのついたガラス張りエレベーターが8基上下し、その前では賑やかなバンドの生演奏。それを取り囲むバーに群がる溢れんばかりの人波を見た途端「これが本当に船の中?」と、既にカーニバルの熱気に巻き込まれていた。
1400人収容の3階建てショーラウンジ。530ものテレビ画面をはめ込んだ斬新なディスコ。開閉屋根のある全天候型プールや、全長60メートルもあるウオータースライダー付きプール等々、陸上のホテルや娯楽設備を凌ぐ施設が、1つの客船の中に点在している。つまり設備の整った動くホテル兼アミューズメントパークで、世界屈指のリゾート「カリブ」を巡るという趣向だ。
多くのクルーズ船では、航海中を通して食堂のテーブルが変わらない定席制を取っている。大抵1人で乗船している私は、初日の夕食「気の合う人に当たりますように」と、念じながら食堂へ向かう。
なぜなら共に卓を囲むテーブルメイト達と初顔合わせになるのが、この時だからだ。今回は、ジョージアからきた会社秘書のミッシェル、ニューヨーク市警のお巡りさんジェリー、そしてジェリーの友人でニューヨークの会社員フランクがいっしょのテーブルだ。とかく、豪華客船の旅と言えば「一部のお金持ちの旅」と日本では受け取られているが、クルーズの本場アメリカでは事情は異なる。このテーブルメイト達も、特別裕福な人たちというわけではなく、ごく一般の市民が、仕事の合間に休暇を取って、7泊8日のバケーションへやってきたという具合だ。
テーブルメイトはお巡りさん、秘書、会社員 |
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「この船の特徴は、大きさを活かしたバラエティーに富んだ、娯楽の豊富さです。バーを例に上げると巨大スクリーンでスポーツ観戦できるスポーツバーや、ピアノの弾き語りを聞けるピアノバー、ジャズクラブの雰囲気があるダウンビートバー等々、趣の異なるバーが8カ所以上もあります。花屋もあるショッピングアーケードや、4つのプール7つのジャグージ等、本船のお客様は、きっと退屈している暇などないと思いますよ」。
確かに、多彩な施設を活用して、次々に仕掛けてくる遊びの数々は、初めてクルーズにやってきた人々をも、瞬く間に船旅ファンにしてしまうほど、豪快で愉快。まさにカリブの熱気にピッタリの、ホットなクルーズなのだ。
(以下次号に続く)