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中華料理コーナー、ハッピーバレー

 ところで、日本人船客が多いということでも、デスティニーは記録的。ほとんど毎航海200人〜300人の日本人船客がやってくるという。ある程度人数がまとまれば、船側の日本人対応も充実してくる。夕食には、白いご飯と緑茶のサービス。日本人パーサーや、ソシアルホステスを乗せ、日本語による案内やメニューの案内付き。船側の主催する日本人用コンプリメンタリーパーティーなど、外国船としては、驚くようなサービスが行なわれていた。

 「日本人客が乗ったらどのような対応をしてもらえるのか?」

 これは、ライター兼アドバイザーとしてクルーズを日本の皆様に紹介する仕事をしている私にとっても大命題であり、これまで必ずどの外国客船でも問いかけてきた。

 しかし、多くの答えは「もし、まとまって40人以上の日本人客にお乗り戴けたら」とか「現在まで、ほとんど日本のお客様はいらっしゃらなかったので」等々、とお茶を濁されてしまうケースが多く、確かに、来るか来ないか分からない日本人客のために、具体的な回答はできないという船側の事情も理解できる。

 一方、日本のお客様にしてみれば、外国客船は言葉や食事の違いが不安で乗りにくい訳で、この悪循環に私は頭を悩ませてきた。
 


ルームサービスでえびのサンドイッチとサラダ



 しかし、こんな「ニワトリが先か、タマゴが先か」の堂々巡りに風穴を開けたのがデスティニーであった。

 「世界一大きな新造客船」の魅力は日本人にとっても絶大で、多くの人をカリブ海クルーズへと誘い、それが、また日本人に乗りやすい結果を招いたわけだ。

 確かにこの船は、スケールの大きな乗り心地、手に届く料金など、はるばるカリブまで乗りに行く価値は十分にある。

 勿論、日本人ばかりではなく、例えば、今回1052人乗っていたアメリカ人にだってデスティニーは大人気。プールサイドにあるザ・グリルでは、彼らの大好物であるハンバーガーやステーキサンドイッチの焼ける香りが漂い、ランチタイムにはアメリカ人船客が長蛇の列をなしていた。

 24時間のオープンしているピッツアリアは、小腹が空いた時に便利。ペパロニや、ハムのピッツアを一切れ摘めば元気もりもり。24時間のルームサービスを利用して、優雅にキャビンで朝御飯を食べるのも素敵だし、アップルパイや、シュリンプサラダサンドイッチをおやつに注文し、部屋で一と休みするのもまた良い。
 このように、全く食べることには事欠かない日々が待っている。しかもこれらがすべて乗船料に込みなので、どんな大食漢だって笑いが止まらないと言うものだ。

 バラエティーにとんだ豪快な食のオンパレードは、洋の東西を問わず、世界各国の人々の共通のお楽しみ。その証拠に今航海には、67カ国2752人の船客が集い、連日、食事も遊びも実にパワフルに楽しんでいた。(以下次号に続く)


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