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世界最大のクルーズ船で、灼熱のカリブを巡る旅

   

客船超10万総トン時代の口火を切ったカーニバルデスティニー

<パート3>


ビールをのむ豚



 乗船した東カリブコースは、日曜日にマイアミ港をスタートし、翌日は航海日。

 徐々に青の深さを増す海原。ぐんぐんと上昇する気温。刻一刻と情熱の島々に近づいて行くのが体感できる。確かに、ゆったりと海を見て過ごしたり、広い船内を覚えて、クルーズに体を慣らして行くのに打って付けだ。

 夕方には、船長さんの歓迎パーティーも開かれ、船客同士も早速顔を合わせる。3日目の夜、丁度旅のペースがつかめた頃、デスティニーは、最初の寄港地、プエルトリコの首都サンファンに入港した。

 クルーズでは、朝入港、夕方出港で、夜間は移動に当てるという航海スケジュールが多いが、ここでは、珍しいカリブの島の夜の表情に触れることができる。ディナーショーへ行ったり、カジノへ向かったり、三三五五、乗客たちは夜のサンファンに繰り出していった。



 次ぎの港は、米領バージン諸島のセントクロア。シュノーケリング、ダイビング、セーリングなどマリンスポーツのメッカでもある。

 そして、この島には、世にも奇妙な「ビールを飲む豚」が住んでいるのだ。ガイドのもったいぶった説明のあと、重々しい鉄の扉を開けると、ぞっとするほど顔の大きな豚が柵から身を乗り出し、手足をばた付かせながら、ビールにありつけるのを待っていた。ガイドが缶ビールを豚の口に入れると、狂ったように飲み始めたが、その姿は飲むと言うより、缶を噛み砕いているように見えた。一缶飲み終えると、最初の豚は隠れてしまい、入れ代わりに隣の柵から、別の豚が顔を出す。今度は船客がおっかなびっくり豚の口に缶ビールをねじ込んだ。2匹目も同様にガツガツ缶をかみ終えると、すぐに引っ込んでしまった。我々は、ビールを飲むことより、自分たちの出番を心得、1缶しかもらえないことをちゃんと知っている豚の頭の良さと、演技力に驚いた。


セントトーマスに並ぶ客船



 木曜日は、米領バージン諸島最大の島、セントトーマス。東カリブ1の人気スポットで、多くのクルーズ船が集まってくる。

 当日も、史上最大の客船カーニバルデスティニーを筆頭に、ホーランドアメリカのビーンダム、ロイヤルカリビアンのノルデイックエンプレス、元セレブリティーのメリディアンが並び港は花が咲いたよう。

 この見事な眺めを一望できるのが、港近くの丘・パラダイスポイントだ。ゴンドラに乗って丘の頂に上がると、夏らしい入道雲と紺碧の海の狭間に浮かぶ個性豊かな客船たちの姿。船好きには堪えられない絶景が眼下に広がる。

 そして、帰りのゴンドラで一番鼻の高い思いをしたのがデスティニーの船客達だった。一際大きくて立派な船体はもとより、話題沸騰の新造客船は注目の的。

 「ほう、あんた方はデスティニーのお客さんかい。いいなあ。」「すごい大きさね。船内はどうなってるの」と、他の船で来たお客さん達から羨ましがられたり、質問をされたり・・・。なんとも誇らしい気分を味わった。




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