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 折しも、訪れた日本の各港町では「スピード2」を上映中と言うグッドタイミング。話題の船の到来はどの港でも大歓迎をうけた。

 船上では盛大な記念式典が催され、大阪港では、鏡割と文楽の実演、長崎港では、ミス長崎による花束贈呈の後、日本舞踊や琴演奏など伝統芸能も披露され、船上は和やかな国際親善の場となった。

 また、地元のテレビやラジオ局が流す「今日は『スピード2』の船が入港中」のニュースを聞きつけて、やってきた見物人で港は多いに賑わい、船客達は沢山の人々から手を振られたり、「一緒に写真を撮って下さい」と声を掛けられたり、握手を求められたり、またまた、映画スター気分をあじわうことになった。


「お客様のお気に召すまま」
ルームサービスの夕食

 この船はポリシーは「お客様のお気に召すまま」。
 船客側も心得ていて、食べたいときに食べ、起きたいときに起き、決してあくせくせず、実にゆったりとクルーズを楽しんでいる様子だ。朝食などは半数以上の船客が、ルームサービスを注文するそうで、それに対応できるように、客室のテーブルは、食事用とリビング用に高さ調節ができる仕掛けになっている。

 大阪港をを出航する夜、夕食はルームサービスを頼んだ。

 電話でオーダーを告げると「お料理は、いっぺんにお持ちしますか?それとも1皿ずつ間隔を開けたほうがよろしいでしょうか?」。
 ルームサービスの難しいところは、熱い料理は熱いうちに出したいが、船客のプライベート空間を度々邪魔するのも御法度と言う点だろう。ホテルなどでは、保温ケースの付いたワゴンで届けられることもあるが、シーボーンレジェンドでは、なるべく「お客様の希望通りにお届けしたい」という姿勢なのだ。

 こちらの注文通り、最初にキャビアが届き、30分後に他の全部の料理が到着した丁度その時、軽いエンジン音を響かせ、船が動き出した。
 大型の四角窓からは、天保山の夜景が一望のもと。消えない花火のようにイルミネーションを灯した観覧車が、徐々に遠ざかって行く。
 目にも口にも、美味しいご馳走を振舞ながら、シーボーンレジェンドの夜は、映画以上にロマンティックに更けていったのだった。



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