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「カーニバル・ビクトリー」

世界の海がデザインテーマ
洋風龍宮城で「月日の経つのも夢のうち!?」




カーニバル・ビクトリー
 1996年、当時、世界最大の客船としてカーニバルデステニーがデビューした。この史上初の超10万トン客船は、人類がいまだかつて見たことのない、圧倒的なスケールで姿を現し、世界中の話題を集めた。

 しかし、世界最大手のクルーズ会社・カーニバルクルーズラインズのパワーはとどまるところを知らない。99年には、同型第2船のカーニバルトライアンフを、2000年には同型第3船のカーニバルビクトリーを就航させた。

 カーニバルビクトリーは、総トン数10万2千353トン。全長271メートル。全幅35メートル。乗客定員2758名。乗り組み員数1100名。造船所はイタリアのフィンカンテイエリである。

ポストパナマックスサイズのこの船は、カリブ海定期クルーズを目的に建造されたが、その前に、ニューヨーク基点のニューイングランドクルーズを数回行い、その雄姿を大都会にアピールした。なぜなら、この地には大きなクルーズ潜在需要が秘められているからである。

  カーニバルトライアンフのデザインテーマが「世界の都市」であったのに対し、カーニバルビクトリーのテーマは「世界の海」。粋なニューヨーカーたちをも唸らせる、それは、お洒落な船である。

セブンシーズ・バー
 たとえば、2階建ての海の見えるメインダイニングルームは「太平洋レストラン」。人魚像に囲まれて、フルコースデイナーが食べられる趣向だ。

 竜のオトシゴと椰子の木のモチーフで飾られた3階建て大劇場の名前は「カリブ海ラウンジ」。スロットマシーンだけで、270台もある洋上最大級のカジノは「南シナ海クラブ」。このカジノの門番は 東洋風なこま犬である。

 テレビ画面を440個もはめ込んだデイスコ「北極海ダンスクラブ」。インテリアを黒と赤のツートンカラーでまとめたジャズバー「黒海と紅海」等々船内の至る所、海また海である。

 その船内生活の中枢に位置する「オセアニックホール」は、9層吹き抜けのメインアトリウムで、1階部分は、バーとロビースペース。天井はエメラルドの海のようなテイファニー風ガラスで覆われている。

 クラシック音楽の生演奏に耳を傾けながら、このバーで一杯やれば、まるで、深海にいるような気分になる。横にあるガラス張りシースルーエレベーターに乗ると、突如、海の神話を描いたモザイク画が現れ、洋風龍宮城に迷い込んだような、面白さだ。

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