「20世紀最大の客船乗り比べ」
ボイジャーオブザシーズ VS. エクスプローラーオブザシーズ
パート2
クルーズ船初の海洋実験室を搭載
知的に楽しく海を走る21世紀型客船の登場
エクスプローラーオブザシーズ
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エクスプローラー・オン・ザ・シーズ |
客船史上最大の客船ボイジャーオブザシーズの誕生は、まさに、びっくり仰天ものであった。14万2千トンという、とてつもない大きさと、アイススケートリンクやロッククライミングの壁などの革新的ともいえる船上娯楽施設の数々で、船旅の持つ「狭苦しい、退屈な旅」と言うイメージを見事に塗り替えた。
ところがである。その約1年後に就航した同型第2船のエクスプローラーオブザシーズ(14万2000総トン。問い合わせ先:ミキ・ツーリスト 電話03―5434―4809)はさらに、上を行く斬新さで登場した。
なんとこの船には、クルーズ船初の自然化学実験室を搭載したのである。船会社ロイヤルカリビアン・インターナショナルとマイアミ大学の提携により実現した船上科学実験室には、300万ドルが費やされ、クルーズ船が、海洋情報の発信源となり、かつ科学者にとって、既存の海洋調査船とは異なる快適な調査実験の場となるという構想である。
たとえば、バウスラスターに取り付けた装置からリアルタイムで海洋情報を収集し、研究実験できる1デッキの「オーシャングラフィックラボ」。9デッキの「アトモスフェリックラボ」には、9台のコンピューターと3台のモニターを設置し、大気の調査実験の場となる。
また、4デッキの「海洋・大気キオスク」は、乗客が、自然科学の不思議と面白さを実体験出来る展示館。自分の体温が色分けで映し出される「サーモグラフィー」。磁気を利用した「海底宝捜し」。氷山の感触を味わえる「タッチャブルアイスバーグ」等々、大人のみならず、子ども客にも興味を引きそうな展示品ばかりだ。
なかでも、一番不思議だったのは室温に置いてあるのに、ミニ氷山が溶け出ださないことだ。その秘密は内部に強力な冷却コイルを埋め込んであるからだという。
なお、7泊のカリブ海クルーズでは、2回の実験室見学ツアーを行い、科学者と一般の人との触れ合いの機会を設ける予定になっている。
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