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ロイヤル・プロムナード
 また、マイアミ大学のプラーガ教授によれば「エクスプローラーオブザシーズが、カリブ海の定期クルーズを行うことにより、酸素含有量、プランクトン発生状況等、この海域の緻密な変化も調査できる」という。

 記者会見の席で、シンガポールのジャーナリストから「クルーズにはお金持ちの時間と暇を持て余した、高齢者の旅というイメージがあるが、ぜひ、このすばらしい情報を世界中の子供たちにも伝えてほしい」と提案されると、ロイヤルカリビアン・インターナショナル社長のジャック・ウイリアムズ氏は「もちろんインターネットなどを通じて、情報を開示していく予定です。そして、最も大事なことは、本船のコンセプトは一般の人々を対象にしたファミリーバケーションにある。決して一部の特別な人だけが対象ではありません」と強調していた。

 これは、日本も含めアジアにおける一時代前の客船旅行からぬけきれない認識と、現代のクルーズ最先端を行くアメリカとのギャップを痛感させられるできごとであった。そして、この自然科学プロジェクトにかかわるすべての人の願いは「子供たちが、教室に帰ったとき、この船での体験が、自然科学に興味を持ち、海を大切にするきっかけになってくれれば」という希望なのである。


ミニゴルフコース
 もちろん、エクスプローラーオブザシーズのお楽しみは、自然科学実験室ばかりではない。

 アイススケートリンクで開催されるスケートショーは、宇宙をテーマにした演出で見ごたえ十分。入り口に松明が点り、騎士の鎧が並ぶデイスコは、中世の時代にタイムスリップしたような雰囲気。姉妹船ボイジャーオブザシーズでも好評を博した水族館バーにロッククライミングの壁。ミニゴルフコースにソラリウム。そして、大道芸人やパレードが繰り出すロイヤルプロムナードには、新しくトミーヒルフィガーのブランドショップも開店しますます賑わいを見せる洋上の銀座通りと化している。

 金色の柱がそびえる3階建てのエレガントなメインダイニングルームではお洒落なフルコースデイナーも待っている。ここには日本語メニューもあるので、英語が苦手な人にも心強い。

 アメリカンオールデイズを彷彿させるジョニーロケッツ・ハンバーガーショップは、相変わらずの盛況ぶり。一方、ピッツア、サンドイッチ、ケーキ等が24時間好きなだけ無料で食べられるプロムナードカフェの人気メニューは、エビのサンドイッチと、ぺパロニピッツア。嬉しい悲鳴を上げたくなるほど、食事も多彩だ。

 そんな船内で、おおらかに食べて、遊んで、海洋と親しむ。これこそ、世界最大の客船ならではのダイナミックな新型クルーズである。そして各所で見かけるファミリー客の幸せそうな笑顔に、21世紀のクルーズは魅力的なファミリーバケーションでもあることを実感したのである。

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