「カーニバルコンクエスト」披露クルーズ
ドガもゴッホもルノアールもびっくり!
洋上絵画館を楽しみながら世界の海を旅する贅沢
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ニューオリンズ港のカーニバルコンクエスト |
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思いもかけない斬新な発想で、人々をあっといわせてきた世界最大手のクルーズ会社カーニバルクルーズラインズから、またまた、前代未聞の客船が誕生した。船の名前はカーニバルコンクエスト。「カーニバルの征服」という勇ましい名前だが、なんと、この船のデザインテーマは「印象派芸術」なのだそうだ。船内を絵画で飾り立て、ドガのラウンジ、ロートレックの劇場、ルノアールのレストラン、ゴッホのジャズクラブなどが出来上がるという。私はユニークな船の誕生に期待しながら、披露クルーズの出発地ニューオリンズに向かった。
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芸術家ロビーと天井画 |
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カーニバルコンクエストは、大きさ11万総トン、全長285メートル、乗客定員2974名の同社最大の客船である。船内に入ると、そこは「芸術家のロビー」と名づいた吹き抜けのアトリウム。人々はまず、この部屋を覆う巨大な天井画を見上げ「なんて大きな絵でしょう」と、船上芸術との最初の対面を果たした。更に、ガラスのエレベーターに乗って天井画に近づくと、沢山の絵が混ざり合っている複雑さだ。実はこの天井画は、乗船した途端、お客様に絵画の世界に入り込んだような気分を楽しんでもらうため、船内の主な作品をコラージュ技法により纏め上げた大作なのだそうだ。
カーニバルコンクエストの建造担当重役兼デザイナーであるジョー・ファーカス氏は、初めて就職した会社が日本の川崎重工だったという人物で「ワタシハケンチクカデース」と昔覚えた日本語を披露してくれた。彼によれば、芸術家のイメージと知名度に合わせ部屋の大きさを決めて行ったそうだ。
一番広い部屋は1400名収容する3階建ての「トゥルーズ・ロートレック劇場」。ロートレックといえば、パリのムーランルージュのポスターなどで有名な画家だ。そこでこの劇場は壁とテーブルをロートレックの複製画で飾り、ステージの横にはムーランルージュを意味する赤い風車を建てた。勿論、ロートレック劇場の得意な演目は「天国と地獄」の曲と共に舞い踊るフレンチカンカン。洒落た劇場のステージで、若くて美人のダンサー達が嬌声を上げ、開脚や宙返りを連発すれば客席からも手拍子が沸き起こる。そしてフィナーレは2階から舞台へのダイビング。より見応えのあるカンカンを演出するため、上階には舞台に飛び降りるための隠し助走路も設置してある。一方、425名収容するラウンジの名前は「ドガ」だ。ドガが好んだ題材・踊り子のブロンズ像が並んでいる落ち着いた雰囲気でパーティーや、絵画オークションなどが良く行われる。
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