ところで、カーニバルコンクエストの当面の発着港ニューオリンズはドガの母親の出生地であり、弟が住んでいた町でもある。1872年にはドガ自身も訪れ「ニューオリンズの綿花取引所」などの作品も生まれた。そんなドガゆかりの港町からデビュークルーズを行ったカーニバルコンクエストは、階段の手すりにも踊り子の像が飾られている。
デザイナー・ファーカス氏が一番お気に入りの部屋が、炎の画家ゴッホをテーマにしたジャズクラブ「ビンセント」だそうだ。壁やテーブルにひまわりを描き、天井にはガラス工芸のアイリスをつるした黄色い部屋は、ゴッホがゴーギャンと暮らした「黄色い家」を思わせる。
メインダイニングの「モネレストラン」で食べるディナーは、メニューの中から好きなものが選べる。某日、私は、ソフトシェルクラブの前菜、冷たいビシソワーズスープ、ロブスターの焙り焼き、チーズ、パイナップルアイスクリームと焼きピーチの盛り合わせを注文した。こちらの料理代金も、すでに乗船料金に含まれているので、大らかな気持ちで選択できる。このほか、ビュッフェレストラン「セザンヌ」には、昼食時に海鮮コーナーがオープンし、ロブスターサラダやマグロのたたきなどもでる。バラエティーにとんだ食事も、この船の魅力だ。
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