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式典を彩る在仏ソプラノ歌手大村博美さんの独唱
式典を彩る
在仏ソプラノ歌手
大村博美さんの独唱
 在仏ソプラノ歌手大村博美さんの「浜辺の唄」の独唱の後、これまでマストに翻っていたフランス国旗とアトランティック造船所の社旗が、フランス国歌演奏の中で降ろされた。次に君が代の演奏と共に、白地に赤の2本線の「二引き」として有名な日本郵船の社旗がマストに掲揚され、最後にクリスタルセレニティの船籍国であるバハマの国旗がバハマ国歌の流れるなかで掲げられた。

 旗の交換が済んだところで、数え切れないほどの紅白の風船が空に放たれた。青い空を背景に、色とりどりの旗と、赤と白の風船がフランスの初夏のそよ風に舞い踊るさまは息を呑むような華やかさで、参列者の間から大きな拍手が沸き起こった。

旗の交換式。青空に二引きがはためく
旗の交換式。
青空に二引きがはためく
 そして、この式典を纏め上げたのはフランス産業担当大臣ニコル・フォンテーヌ氏の「両国を代表する産業の結びつきと、本日の美しいセレモニーは間違いなく日仏友好親善の架け橋となるものです」という祝いのスピーチであった。

 できたてのメインレストラン「クリスタル・ダイニングルーム」で開催された祝宴は、ロブスターとアーティーチョークのポテトバスケット詰め、牡蠣のビスクスープ、ローストテンダーロインビーフ・フォアグラ載せ、イチゴのティラミス、プティフールとトリュフチョコレートの盛り合わせ、という豪華メニューである。本格的な就航前なのだが、さすがに食事に定評のあるクリスタルクルーズならではの完成度の高い料理の数々であった。

 シアターにおいて、ヨーロッパ各地から来た報道陣達との記者会見の後、いよいよクリスタルセレニティが生まれ故郷から旅立つときが来た。

 午後4時、これまでこの船を造りあげてきた大勢の造船所や業界関係者の歓声と、熱いまなざしに見送られ、クリスタルセレニティは命名式典の行われるイギリス・サザンプトン港を目指して、生誕の地を後にしたのであった。



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