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クリスタルセレニティ誕生物語(その2)

イギリスのサザンプトンで盛大な命名式典
ゴッドマザーは女優ジュリー・アンドリュース


 2003年7月3日。イギリス・サウザンプトン港岸壁には忘れられない光景が繰り広げられていた。その日行われる客船クリスタルセレニティの命名式の会場設営のためその塀の役目を果たすために、NYKのコンテナを積み上げた巨大な「壁」が設営されていたのだ。

本日のテーマカラーであるブラック&ホワイトをお洒落に着こなすゲストたち
本日のテーマカラーである
ブラック&ホワイトを
お洒落に着こなすゲストたち
 それは、あたかも、待望のベビーが誕生する瞬間を全社一丸となって守り、祝福するという、無言のメッセージが込められた「慈愛の壁」」のように優しく頼もしく見えた。

 ところで、命名式典の招待状には、「服装はビジネスアタイヤで色はブラック&ホワイトが好まれる」という服装の示唆が記載されていた。
 ビジネスアタイヤとは仕事の服装という意味だが、そのなかでも、かなりきちんとした格好を想定しているケースが多く、後日、クリスタルクルーズ社から来たメールには親切に「参加されるお客様から服装に関するご質問がありましたが、ビジネスアタイヤとは男性は上着にネクタイ、女性はドレッシーなスーツまたはアフタヌーンドレスなどで、色もブラック&ホワイトのカラーバリエーションとしてグレー、ピューター、チャコール、クリーム色、アイボリーでも勿論結構です」と記されていた。
命名者のジュリー・アンドリュースはピンクのスーツで登場
命名者のジュリー・アンドリュースは
ピンクのスーツで登場

 そこで、私は手持ちの白いアフタヌーンドレスに、首飾り、イヤリング、髪飾りを白いパールでまとめ、黒いパーティー用ポシェットを肩から提げて、にわかブラック&ホワイトの装いをすることにした。

 さて命名式典当日。黒と白に染め分けたスーツに白い手袋、黒いスーツに黒と白の市松模様のネクタイなど、サウザンプトン港は見事なまでに黒と白を着こなしたゲスト達で埋め尽くされていた。「さすがはクリスタルのお客様!」と見とれるほどだ・・・。

 白いテントに黒い絨毯を敷き詰めたシャンパンレセプションの会場では黒い真珠キャビアと白い真珠卵白を取り合わせたカナッペが振舞われ、シックなブラック&ホワイト尽くしのなかで、クリスタルセレニティのゴッドマザーを努める女優のジュリー・アンドリュースが一際鮮やかなピンク色のスーツで登場し式典の幕が開けた。



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