ギリシャの神々の故郷を訪れる
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17世紀から18世紀の古い町並みが残るマクリニッツァ村
ピリオンの小さな村々、マクリニッツァとポルタリア
ヴォロスから曲がりくねった急な山道を登っていくと、「ピリオンのバルコニー」と呼ばれる村マクリニッツァがある。ここは17世紀から18世紀にかけての古い町並みが残る、ピリオン山に点在する村の一つである。
この小さな村の風景を強く特徴づけているのが「アルホンディコ」という崖に沿って並ぶ建物で、独特の石瓦屋根を持っている。斜面に建てられてたこれらの建物は一方が3階建て、小径を挟んだもう一方が1階建てとなっている。
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トトロの世界をイメージさせる
プラタナスの老木
ガイドブックにもほとんど紹介されていないこの小さな村に、日本人がやって来るという噂をいつどこで耳にしたのかは分からないが、各所で大きな歓迎を受けたのには驚かされた。
村の入口でバスを待っていて、お土産にとハーブティーを差し出してくれた女性や、暑い中にもかかわらず民族衣装を来てバスの到着を待ち、この地方に伝わる踊りを披露してくれた子供たちの姿は、今でも目に焼き付いている。
深刻な経済危機にあえぐギリシャ。首都のアテネですら、度重なるストやデモの影響もあり外国人観光客が激減。観光業に苦境に立たされた。この村も例外ではないことは、ゆうに想像できる。
だが、それでもピリオンの人々は明るく、そして優しかった。美しい風景はもちろんだが、その温もりが何よりの旅の思い出となったのは言うまでもない。
マクリニッツァ村への車両の進入は禁じられているため、駐車場から村の中心までは徒歩(約10分)で移動する。その途中には民芸品を売る土産店が軒を連ね、ヴォロスの町並みやパガシティコス湾を見渡す絶好の撮影スポットもある。
マクリニッツァを訪れた帰りには、水が豊富なことでも知られているポルタリア村へ。また、沿岸部にある映画『マンマミーア』のロケ地になった村ダムハリのビーチに足を伸ばしてみるのもお勧めだ。
マクリニッツアでは8月1日から15日まで春の再来を願う古くからの伝統「マイオス祭」が開催され、民族衣装を着た男性と白装束で女装した男性との恋のダンスが見られる。また、8月下旬にはヴォロスの市民劇場で、バルカン諸国の民族舞踊や民謡が上演される「ヴァルカン・クラフト・フェア」が開催される。(情報提供:ギリシャ政府観光局)
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