ドイツ少数民族の町、バウツェンへ
再びSバーンに乗って、今度はドレスデンの東60キロ、チェコとポーランドの国境付近にあるバウツェンという町へ足を伸ばしてみることにしましょう!
ドイツ少数民族ソルブ人の町
ドレスデン中央駅から1時間ほどSバーンに乗ると、バウツェンという駅に到着します。ここはソルブ人がたくさん住んでいる町の玄関口です。
ソルブ人とは、フン民族が没落した5世紀後半頃から移動を始め、その後エルベ川中流から上流域に定住したと言われる西スラブ系民族の一派。ソルブ語という固有の言語を持っています。そのため、駅の看板や標識などは、ソルブ語とドイツ語の2ヶ国語で記されています。
このソルブ語は、ドイツ少数民族が話す言葉の中でも、現存する数少ない言語の一つとなっています。
この町が初めて文献に登場するのは1002年のこと。1213年に自治権を獲得し、17世紀まで商業都市として栄えました。2002年には、千年祭を迎えています。
高台の先端に佇むオルテンブルク城を中心に、中世さながらの街並みが広がっています。中心部にある写真の黄色い建物は、ボヘミア王オタカル1世の命により1213年に建造されたバウツェン市庁舎です。
たくさんの塔が見られるバウツェンは、「塔の町」とも呼ばれています。
依然としてカトリック教会の影響力が強いバウツェンはまた、宗教改革以降にプロテスタントの教会が廃止した、イースターの騎馬行列などの伝統行事が残る町としても、良く知られています。
この騎馬行列は、近隣の教区にキリスト復活を伝える使者を表したお祭りで、イースター当日の午前中に見物することができます。
カラフルで様々な模様のあるイースターエッグはバウツェン名物の一つで、観光案内所でも販売されています。
ソルビア博物館でイースターエッグ作りの実演が行われていることもありますので、興味のある方は会期をチェックしてみましょう。
観光案内所の近くにあるマスタード屋さんにも、こんなイースターエッグを見つけました。こちらは中に、スープの素が入っているようです。
このマスタード屋さんは、大聖堂の近くにあります。「Bautz’ner Senfladen」というお店です。
マスタードは、バウツェンの特産品でもあります。
このお店では、マスタードだけでも20種類も扱っていて、気になるマスタードを味見させてもらえます。
ニンニクのマスタードもあったりして、見ているだけでもなかなか楽しいです。
店内には、日本でも人気のポーランドの陶器に似た感じの、マスタードポットがあったりします。
こんなところからも、スラブの文化が感じられます。
でも、陶器は重いので、たくさん買って帰ることができず残念(涙)
店の奥は、ちょっとしたミュージアムになっていて、ソルブ人の生活が垣間見られます。
もちろん、無料です。
ソルブ人の町を訪れてたら、やはり味わっておきたいのがソルブの郷土料理ですよね。
ホースラディッシュや特産のマスタードなど、少しスパイシーな味わいの調味料が使われているのが、ソルブ料理に見られる特徴です。
とは言っても、日本の和がらしの様に鼻にツーンとくるような、強い刺激はありません。
ドイツの他の地域と比較すると味も薄めですので、非常に食べやすいです。
そのソルブ料理の代表的なものが、写真の「Wendsches Fleysch vonn Ochsen in salse vonn Kren mite gelen Rüben」。
ボイルした牛肉に、ホースラディッシュのソースがかかっていて、お店によりジャガイモやニンジンといった温野菜が添えられています。
見た目は地味~な印象ですが、ホースラディッシュのソースが良いアクセントになっていて、筆者は昼間からレストラン・オリジナルの地ビールと一緒に、美味しく頂きました。
ビールも、どちらかというとチェコのビールに味わいが似ています。
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ドイツに来たはずなのに、ぜんぜんドイツらしくない・・・
不思議な気分です。
あれ? お酒がまわってきたのかな?
目の前に変な人の姿が見えます。 あなたは、誰 ??? どこの人???
どうやら私は、「時の迷宮」に足を踏み込んでしまったようです。