Plain Living ~質素な生活
庶民のマーケットと再利用
家にあるやっかいものも、ある時間を越えるとアンティークになる。それを辛抱強く待つ忍耐がイギリス人にはある。ポートベローのマーケットはアンティークを売っているエリアはやや観光向けに高級な品も揃えているが、エンジェルのマーケットなどはアンティークでも地元の人向けの価格で品物が並ぶ。
イーストエンドの庶民のマーケット、ブリックレーンでは安い日用品とともに古いガラクタが並ぶ。が、そのガラクタの中に掘り出しものもあるのだ。このブリックレーンにはちゃんとショバ代を払って出している業者もあるのだが、ただマットを敷いて自分の所持品を処分する人やら、まるで盗品かと思うような電気製品とその部品が売られていたり。でもDIY(要するに日曜大工)オタクのイギリス人は古そうな部品とか有難がって買って行ったりするのだからちゃんと商売は成り立っているようだ。
リサイクルというと、日本ではスーパーに置いてくるプラスチック製品やボトルのことだったり、オフィスで利用されるちょっと茶がかったワープロ用紙だったり、という生活の限られた部分の認識に過ぎないような気がする。私は初めてイギリスで普通に人々がスーパーの袋を手提げ袋として利用しているのを見て、むしろ感動したものだ。
再利用とみすぼらしさはまさに紙一重だったりして、日本の場合、みっともなさが先に立つと地球の資源などどうでもよくなるのかもしれない。昔はダイエーなどの袋、そういえばさげてるオバさん、いたような気もするけど。
後驚きの再利用は使用済みの封筒である。受け取った封筒は捨てずにとっておき、裏側に宛名を書きまた使う。こんなものを送って相手の方に失礼な、なんて観念はない。友人から受け取った手紙はいいとしても、現に私はとある紳士から再利用された封筒を受けとったことがある(その人は労働者階級ではなかった)。