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エコツーリズムと旅行業 |
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エコツーリズム発展の歴史とその対立する要因 NO.1−2 |
エコツーリズムアドバイザー |
ローリー・ルーベック |
◆ 観光業界と環境運動の対立 オーストラリアの行政当局は、オーストラリアの魅力が、その気候風土、海岸、珊瑚礁や岩山などの景勝地にあることを認識していますが、しばしばそれを軽視し、5つ星のリゾートホテルや大型高級送迎車、都市の風景というような多くの事例を挙げて、オーストラリアがどんなに洗練されているかを強調しようとしました。 事前環境に傾斜すると旅行者に野暮ったい田舎のイメージを与えるのではないかと恐れていたのです。 環境は天の恵みであり、それは他のものと組み合わせて売ればよいのだという態度もありました。オーストラリアの観光業界の中には、これらの重要な観光資源を長期的な観点で保護していく上で、相応の役割を担うという認識はほとんどありませんでした。 観光業界はオーストラリアの自然資源の保護活動においては何の役割も演じませんでした。これは誠に皮肉なことです。といいますのは、オーストラリアの重要な景勝地のほとんど、例えばグレート・バリア・リーフ、クイーンズランドの熱帯雨林、タスマニアにある手つかずの湖と山々、カカドゥにある野鳥の豊富な湿原や古代の壁面など、その現在の姿は、すべて長い間行われた環境保護運動の結果、勝ち取られたものばかりだからです。 ![]() 多くの大規模な開発が、保護価値の高いオーストラリア東海岸の岬、海岸、湖、河川などの周辺で計画されました。環境運動家はそれゆえに、観光産業を楽園をとりあげて駐車場に変えてしまう無神経な開発者の一団と見なしていました。環境産業は木材切り出しや採鉱プロジェクトと同様、環境に対する大いなる脅威として受け取られたのです。 |