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カリフォルニアの新しい風を楽しむ
州都サクラメントから高原リゾート・レイクタホへ


写真=エルドラドの地図
(エルドラド郡観光協会提供)


<その3> ゴールドラッシュの舞台を訪ね果樹園を巡る

 カリフォルニアの水郷地帯と言われるサクラメントの周辺は、河川や運河が四通八通するデルタ地帯だが、日本人にはあのカルフォルニア米でお馴染みの穀倉地帯でもある。シーズンになれば、米国式稲作農法が見学できるというから、他の地区や州ではお目にかかれない異色のアメリカを見学するということになるのかもしれない。
 そのサクラメントを東に辿ると、南北に細長く緩やかな渓谷が伸びるゴールド・カントリー地域が広がる。それを更に東にドライブすれば南北に海抜3000m〜4000m級の山々が連なるシエラネバダ山脈が連なり、高原リゾートとしてのレイクタホに出る。車で飛ばせば2〜3時間の距離だ。穏やかな気候とシエラ高地の豊かな水量がなだらかな丘陵を潤す果物の産地だが、ゴールド・ラッシュの発端となった金鉱の発見地でもある。カリフォルニアの豊かな農村地帯エルドラド郡(El Dorado)を楽しむコースだ。
 1847年1月の凍てつくような朝、製材工場の労働者であったジェームズ・マーシャルは、工場の近くを流れる小川の砂の中にキラリと光るものを発見した。腰をかがめて砂をすくい上げると手のひらには金色の破片が残った。「金だ!」。

 ニュースは瞬く間に広がり一攫千金を求めて全米各地はもとより遠く海外からも続々と人が押しかけ、木こり達だけがまばらに生活していた丘陵地帯は一挙に金鉱の町に変貌した。そして2年後には人口20万人の町ができたというから、毎月1万人近くの人口が流入してきた勘定になる。それが現在のエルドラド郡コロマ(Coloma)だ。



写真=マーシャル金鉱発見州立記念公園
(カリフォルニア観光局提供)




写真=ボーガーのブドウ畑
(エルドラド郡観光協会提供)

やがて年とともに金鉱は付近一帯に拡がり、新たな産業が生まれ、人口が増え、鉄道や道路が敷かれ、平地のサクラメントが中心都市として栄えるようになった。いわば、米国西海岸が今日の隆盛をみることに繋がった歴史的なポイントである。「カリフォルニアの歴史は、エルドラド郡コロマの一粒の金からはじまった」というわけだ。

 しかし、いま東にレクタホ、西にサクラメントをいだく国道50号線沿線の主力産業は、林業でも金でもない自然の景観と豊かな土壌に恵まれた農業であり観光である。いわばアグリツーリズムの地だ。金が最初に発見されたコロマには、発見者である人物の名をとって「マーシャル金鉱発見州立記念公園(Marshall Gold Discovery State Historic Park)があり、往時のゴールドラッシュ時代を再現して観光客を楽しませてくれている。
 そのコロマから再び50号線に出て東に辿る丘陵地帯は、カリフォルニアでも随一の果樹園地帯であり、エルドラド・ワインの産地でもある。
 エルドラド郡では、南北両側の丘陵地帯も含めこの50線沿いのエリア全体を、「エルドラド郡農場街道(El Dorado County-- Farm Trail」とネーミングして農村の穏やかな景観と多様な味覚が楽しめる、いわばスローフッドの観光地として売り込んでいる。
 通年ベースで楽しめるワイン、生花、盆栽にはじまりベリー種、かんきつ類、サクランボ、桃、ネクター、プラム、リンゴ、梨などのいずれかの果実が年間を通じいつでも楽しめるというから凄い。



写真=Farm Trailの中心の町プレイサービルの中心街
(エルドラド郡観光協会提供)

 8月から12月までだったら日本産のキクスイ、ホウスイ、幸水も賞味できると一覧表には出ている。勿論、主要な町や村には宿泊施設もあるから、ファームステイ気分でゆっくりとカリフォルニアの田舎をドライブできるというわけだ。

取材協力:カリフォルニア州観光局
最終更新日:2006年5月29日
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