◆ 音楽の都、ウィーン
リンツから鉄道で1時間半もすると、オーストリアの首都ウィーンに到着する。
中世よりオーストリア帝国の首都として栄えたこの町には、世界遺産にも登録された歴史地区にあるホーフブルグ宮殿や聖シュテファン大聖堂、そしてシェーンブルン宮殿など、ハプスブルグ時代の建造物が数多く残され、ハプスブルク家の栄華を今に伝えている。
芸術が溢れるウィーンでは年間を通じて観光が楽しめるが、冬の楽しみといえば本格シーズンを迎える「音楽」だろう。
1812年設立された楽友協会、1869年にモーツアルトの『ドン・ジョヴァンニ』でこけら落としが行なわれたウィーン国立歌劇場、1898年に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の即位50周年を記念して建てられたフォルクスオーパーなどでは、ほぼ毎日コンサートやオペラが上演されている。
しかもチケットは日本よりもずっとリーズナブルな上、あまり日本で上演されないようなプログラムも楽しめる。
オペラ鑑賞というとやはり気になるのが服装だが、ウィーン国立歌劇場はボックス席であってもスーツを着用していれば特に問題はない。但し、ガラなどの特別な場合には配慮が必要だ。
多くのチケットはオンラインで購入が可能となっている。席も自由に選ぶことができ、支払いも購入時にクレジットカードで決済できる。
後はその控えを窓口に持参して、チケットと引き替えるだけという手軽さも観光客には嬉しい。また、子供向けのオペラなども上演されているので、家族連れあっても本場の音楽に親しむことができる。
昼間はカフェで休憩を挟みながらアクティブに町歩きやエクスカーションを楽しみ、夜はコンサートホールや劇場での優雅なひと時。
ウィーンだけに1週間滞在しても、時間をもてあますようなことは決してない。
(写真:ウィーン国立歌劇場)
(写真:左から楽友協会 黄金の間と路上に埋め込まれた音楽家のプレート/ウィーン国立歌劇場)
◆ ウィーンのクリスマス
もう一つのウィーンの冬の楽しみといえば、やはりクリスマスマーケットに他ならないだろう。
ウィーンでは各所でクリスマスマーケットが開かれているが、中でもウィーン子の自慢は市庁舎前のマーケットだ。
ウィーン最大のこのマーケットでは、建物がアドヴェントカレンダーになっているネオゴシックの市庁舎の前に、菓子や工芸品、クリスマスオーナメントからグリューワインの店まで約150もの屋台が軒を連ねる。広場に登場する直径12メートルの巨大なアドヴェントクランツは必見だ。日没にはファンタジックな光が放たれ、メルヘンの世界が広がる。
市庁舎にほど近いマリア・テレジア広場にも、60以上の屋台が並ぶクリスマス村がオープンする。徒歩圏内なので、クリスマスマーケットのはしごも楽しめる。
また、楽友協会近くのカールスプラッツでも、工芸品を中心に扱ったクリスマスマーケットが開かれている。トラムを使えば、3つのクリスマスマーケットをセットにして訪れることもできる。
宮殿でのクリスマスマーケットなら、ベルベデーレ宮殿とシェーンブルン宮殿の2ヶ所で楽しむことができる。どちらも敷地内で開催されるが、建物の外なので入場は無料。ハプスブルクの気品漂う城でのクリスマスマーケット散策は格別だ。
シェーンブルン宮殿は博物館として、またベルベデーレ宮殿はクリムトなどの作品を集めたギャラリーになっているので、建物内の見学と組み合わせてクリスマスマーケットを訪れることができる。
その他にも、フライウンク広場では旧市街では最も歴史あるノスタルジー・クリスマスマーケットが、シュピッテルベルク区のクリスマスマーケットも開催されている。(写真左上:ライトアップされたウィーン市庁舎前クリスマスマーケット/写真右上:ベルベデーレ宮殿中庭)
(写真:クリスマスマーケット=左から市庁舎前/シェーンブルン宮殿/ベルベデーレ宮殿)
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