フリードリヒ・アウグスト2世の居城だった「ツヴィンガー宮殿」 | 欧州屈指の絵画館「アルテ・マイスター」 | |||
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ツヴィンガー宮殿は、ザクセン選帝侯国最盛期を誇ったアウグスト強王こと、フリードリヒ・アウグスト2世の居城だった。
ここは現在、美術館・博物館として一般に公開されている。 ラファエロやフェルメール、ルーベンス、レンブラントなどの名作を擁する「アルテ・マイスター絵画館」、中国や日本、欧州初の陶磁器であるマイセンを集めた「陶磁器コレクション」などは、アウグスト強王および息子のアウグスト3世によって収集されたものだ。 どちらも世界屈指のコレクションが揃っており、絵画・陶芸ファンならずともザクセン最強時の栄華、そしてバロック建築の粋を見る上でもぜひ訪れたい場所だ。 アルテ・マイスター絵画館には、欧州古典絵画を中心に集められている。 目玉は、何と言ってもラファエロの『システィーナのマドンナ』(写真:中央右から2番目)。街中で頬杖をついた上目使いの二人の天使の絵をあしらったグッズをよく見かけるが、それがこの絵の聖母マリアの足元に描かれた天使だ。ドレスデンのシンボルともいえる作品である。また、デューラーやクラナッハ(クラーナハ)、ホルバインなどドイツを代表する画家の作品も見られる。 | ||||
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特に、ルーカス・クラナッハ父(1472〜1553)は、ザクセン選帝候の宮廷画家として活躍した人物で、イタリアやオランダへの留学はせずにドイツ圏で腕を磨き工房を構えた、ある意味生粋のドイツ画家といえる。
ザクセン州や出身地のチューリンゲン州にはクラナッハの祭壇画が飾られた教会もあるので、ここで彼の名と共に切れ長な妖しい眼差しの美女など、独特のタッチを覚えておくと良いだろう。
それともう一点、ぜひとも見ておきたいのが3階にあるジャン・エチエンヌ・リオタールの『チョコレートを運ぶメイド』(写真:中央一番左)だ。これは「世界一美しいパステル画」と呼ばれるもので、優しく柔らかいパステルならではの色彩が、若いメイドの桃色がかった白い肌や純真さを描き出している。 ガイドさん曰く、「心ときめかせるオジサマ方も多い」という。なるほど、見ていると何やら昔懐かしい甘酸っぱいトキメキが沸き起こってくるようだ。 なお、ツヴィンガー宮殿にあるもう一つの絵画美術館「アルベルティヌム」は、現在改装工事のため休館している。再開は2009年になる見込みだ。 | ||||
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