ぬくもりを感じさせてくれる「ザクセン民芸博物館」(1階展示スペース) | 庶民文化に触れる「ザクセン民芸博物館」 |
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ドレスデンは、エルベ川を挟んで旧市街と新市街に別れている。 主要な観光名所の集まる旧市街で王侯貴族の華麗な文化を堪能したら、アウグストゥス橋を渡ってドレスデンの生活圏・新市街に行ってみよう。 新市街の見どころの一つに「ザクセン民芸博物館」(写真上)がある。 ザクセン地方で作られた人形や、クリスマス・マーケットでおなじみのクリスマス・ピラミッド(写真右)など、この地方の民芸品や民族衣装が展示されている博物館だ。 博物館は、アウグストゥス橋を渡った新市街広場(ノイシュタット・マルクト)を右に入って道なりに少し歩いたところにある。 建物は16世紀のもので、アウグスト強王も狩の途中に立ち寄ったという。 博物館の開館は1913年にまで遡り、館内には主に18世紀以降の民芸品を展示している。 1階は古い民芸家具や壺、水差しなど家財品、2階には民族衣装や木馬など子供の玩具などが並んでいる。 クリスマスの古いピラミッドやオーナメントを見ていると、「クリスマス」が昔から人々にとって大切な文化であり、伝統であったことがわかる。 金銀象牙にクリスタルといった煌びやかな宮廷芸術を見た後に訪れると、木や手編みの織物からおじいちゃん・おばあちゃんの温かいぬくもりが伝わってきて、なんだか心が和むようだ。 クリスマスや復活祭の時期になると、1階と2階では地元のお年寄りたちによる民芸品制作や特別展が行われる。 クリスマス前の待降節にはグラスボールの絵付け、セラミックのクリッペやオーナメント制作、レース編み(写真左)などが、復活際にはイースターエッグの絵付けといった具合だ。 お年寄りたちは気さくでフレンドリー。 興味深げに見ていると「ちょっとやってみませんか?」と、体験をさせてくれることもある。 3階は2005年にオープンした「パペット・フロア」だ。 古い時代がかった昔の操り人形から旧東ドイツ時代のもの、最近のモダンなものまで揃っていて、他の階とは趣の変わった展示(写真右)がされている。 特に旧東ドイツ時代のすごろくゲーム(写真下)といった「近代の歴史遺産」は、今見るとアヴァンギャルドなテイストに溢れていて、これはこれでなかなか味わい深い。 聞くところによると、「新市街」と呼ばれているとはいえ、都市としての起源は12世紀にまで遡り、歴史的には旧市街より古いのだという。 18世紀、大火で街が焼けてしまったため、復興後に「新市街」と名付けられたそうだ。 新市街広場には金ピカのアウグスト強王の像が建ち、エルベ川の岸辺からは対岸のフラウエン教会やドレスデン城など旧市街が一望できる。 ひと心地つきながら、美しい街並みを記憶に留めるにはちょうどいい場所だ。 | |
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