ブティックホテル「QFホテル」

2006年12月に開業したブティックホテル「QFホテル」
刻々と変わるドレスデン旧市街広場
デラックス・ルーム バロック文化の都・ドレスデン。
街の主要な建物の再建は2005年のフラウエン教会から緑の丸天井へと進められ、今後もアルベルティヌムなどの修復や再開が予定されている。
「歴史的都」としての伝統文化が着々と再現される一方で、モダンテイストを含めた再開発計画も進行している。

再開発が進む地域の一つが、旧市街にある「エリアQF」だ。
フラウエン教会と新広場(ノイマルクト)に挟まれた一角で、2006年12月に開業したブティックホテル「QFホテル」(写真上)を中心に、レストランやショップなどが並ぶ。

かつてこの地域には創業1804年という「ホテル・シュタッド・ベルリン」があった。
ドレスデンのシンボルであるフラウエン教会至近という、文字通り歴史的にも街の中心にあったホテルだが、1945年の空襲で跡形もなくなってしまったのだ。
吹き抜けになったホール
QFホテルはその跡地に建てられた。
建物は斬新なガラス張りだが、上品でシックなデザインがバロックの町並みの中にありながらも、不思議と調和している。 余談だが、周辺を見回すと建設中の建物を囲う幕には、完成予想図が描かれている。
近隣の建物との調和を図り、街並みや景観に気を使いながら工事を進めている様子がよくわかり興味深い。

さて、話はQFホテルに戻る。
ホテル全体は全体的にアイボリーホワイトとダークグレー、ダークアースの色彩でまとめられ、「洗練された大人のムード」を醸している。

ロビーは最上階まで吹き抜けになっていて、見上げた時の曲線デザインが何ともお洒落だ(写真左上)。 会議室に併設されたバースペース
客室は、クラッシックルーム28室、スーペリアルーム55室、デラックスルーム(写真右上)9室に、クラッシックスウィート、ブティックスウィート、ノイマルクトスウィートと全部で95室。その中の一つ、ブティックスウィートの窓からはフラウエン教会の丸屋根が間近に望め、さながら「フラウエン・スウィート」といった感じだ。

全室には、エアコン、プラズマテレビ、イタリア産大理石を使ったバスルームなどが完備されている。その他、ファックス設備や無線と有線の両方でインターネットが利用できるなど、ビジネスツールの充実もビジネスマンにとっては嬉しいサービスと言えるだろう。

部屋は全体的にホテルが基調とする色彩でモダン&シックにまとめられているが、ミーティングルームの横には黒と黄色キッチュな味わいのバー・スペース(写真右)もあり、映画、音楽、デザイン関係者などが興味を持っているというのも頷ける。QFホテルGM  アルトゥーロ・プリスコ氏

ちなみに、ホテルの下層階には、40店舗と8つのレストランやカフェ、バーが入っているショッピング・モールも併設されており、買い物にも便利だ。

「日本のお客様にもぜひ滞在してもらいたい」と、イタリア人のジェネラルマネジャー、アルトゥーロ・プリスコ氏(写真左)は語る。

駅周辺をはじめ、まだまだ更地が数多く残るドレスデンだが、旧市街にある建物の大半はホテルで、その数はすでに5千室に及ぶ。ドレスデン観光局の発表によると、2010年には2万ベッドを優に越すという。

ホテルが取り難いと言われるドレスデンだが、数年後には朝食前にフラウエン教会付近を散歩するという、そんな旅のスタイルがより楽しみ易くなりそうだ。

Photo(一部):© QF Hotel / 写真はイメージです
ドレスデン中央駅(外観)
ドレスデンの現代建築「ドレスデン中央駅」

残された文献や歴史的設計図をもとにして華麗なバロック建築を甦らせつつ、内部は現代的という建築物が次々が生まれるドレスデンの街。
そんなドレスデン流現代建築が楽しめる建物の一つに「ドレスデン中央駅」(写真左)がある。

「ドレスデン中央駅」は、1945年の大空襲により屋根の鋼鉄フレームを残して破壊されてしまったが、その後ガラス部分を木板で覆う応急処置が行われ、ガラス屋根が使われていた建築当初よりすっかり暗い印象になってしまった。

2000年になって再び修復工事が開始されたが、2002年の大洪水で大きな損傷を受けたことから、2006年の建都800周年に合わせて大改築が行われた。

この改築工事の指揮をとったのは、かの有名なイギリス人建築家、ノルマン・フォスター卿だ。
今回の改装に伴い、かつてガラスが使われていた屋根の部分には表面が割れないゴム状の白い膜状の素材が新たに使用された。

それにより太陽光の強弱によって異なった色調を通し、屋根の外側で反射する仕組みになっていて、テントのように張られたその屋根には曲線を描く鉄の部分にはスリットが入れられ隙間から空が見える。
クリスマス・シーズンには、このドーム部分の下に大きなツリーが飾られている。
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