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PART 2
飛鳥世界一周クルーズは佳境のアラビアンナイトの世界へ
モルジブ
3月17日、飛鳥は、約1200の島々からなるモルジブ共和国に到着。200余りの島には人が住み、各島々が、首都の島、空港の島、リゾートの島等とそれぞれに機能を持っている。透き通る海、珊瑚礁、ホワイトサンドビーチ。ここは、絵に描いたより美しい南の楽園だ。
モルジブを出た翌日、船上では、めでたい結婚式が行なわれた。実は今日の新郎・新婦の出会いには飛鳥も一役買っていたのだ。その経緯を手短にご紹介しよう。
数年前、新郎のK氏は、病身の妻を励まそうと、飛鳥に乗る計画を立て予約をした。しかし、その願いも虚しく夫人は他界され、遺影を胸に、飛鳥のクルーズに1人で乗船した。そんな傷心のK氏にとって、クルーズの、飛鳥の、暖かさ、楽しさは大きな慰めになったそうだ。
すっかり飛鳥ファンになったK氏。たびたび乗船を繰り返すうちに、外国人のクルーやエンターテイナーともっと親しくコミュニケーションを結びたいと、陸上で英会話教室に通い始めた。そして、そこで出会ったのが、新婦T嬢だったというわけである。
結婚式は、船内のマリナーズクラブで行なわれ、野崎船長立ち会いのもと、厳かに式は進行した。披露宴は、屋外デッキで、全船客からの祝福を受けながらなごやかに行なわれた。この世界一周にゲストレクチャラーとして全区間同行された斎藤茂太氏のユーモアたっぷりの祝辞、アメリカの歌手デニス・シェファーのロマンティックな歌声。どこまでも続く青空と大海原に囲まれ、ウエディングケーキも溶けだすほどのお熱いパーティーとなった。
船上結婚式
インド最大の商業都市ボンベイでは、カンヘリの石窟やエレファンタ島へ。そして飛鳥は、いよいよアラビアンナイトの世界へと入っていった。
3月23日、オマーンのサラーラに入港。日本人観光客は、年間約150人というこの国に、たった1日で約400人の日本人が訪れた記録的な日となった。オマーンは香りを重んじる国。イエス・キリスト誕生の折、馬小屋に参じた3人の博士の貢ぎ物の1つである「乳香」の産地でもあり、その香りが、現在も漂う。シバの女王の城跡からは、古代の港サムハラムが一望のもとに見渡せる。
砂漠を闊歩するひとこぶラクダの群れは、時折道路にもやってきて、悠々とバスを止め、横切って行く。オマーンの道路はラクダ優先だからだ。もし車で跳ねたら90万円の罰金である。
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