ゲーテがナポレオンに謁見したエアフルト

更新日 : 2014年07月17日

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マリア大聖堂とセヴェリ教会

ドイツ・ゴシック建築の傑作と称されるマリア大聖堂とセヴェリ教会。
クリスマスシーズンには、この前の広場でクリスマスマーケットが開催される。



修道士ルターを生み出したエアフルト

エアフルトの街並み

1665年に建造されたペータースベルク要塞から見たエアフルト市街

ワイマールからレギオナルエクスプレス(RE)に乗り、およそ15分。742年に建都したエアフルトは、中世には商業そして大学都市として栄えた町だ。第二次世界大戦による被害も少なく、教会や修道院、ルネッサンス時代の建造物や古い木組みの家屋といった様々な時代の建造物が数多く残り、中世の華やぎを今に伝えている。

中でも728年にイングランドの宣教師ボニファティウスが西の丘に建造した荘厳なマリア大聖堂や、836年にラヴェンナの聖人セヴェルスの遺骸が安置したことに由来するセヴェリ教会は町のシンボル。アドヴェントのシーズンになると、この教会前の広場に高さ約25メートルのクリスマスツリーが飾られ、160年以上の歴史を誇る煌びやかなクリスマスマーケットが立つ。また、そこに据えられたキリスト降誕の情景を表す14体の等身大の木製彫像(クリッペ)も必見である。

およそ500年前、マリア大聖堂に鐘そのものが揺れる中世の鐘としてはドイツ最大の「グロリオーザ」が鋳造されていた頃、このエアフルトにやって来た人物がいる。それが後に宗教改革を世界にもたらしたマルティン・ルターだ。ルターは、5年間エアフルトの大学で哲学を学んだ後、法学部に進学したが、1505年7月にシュトッテルンハイム付近で落雷に遭ったのをきっかけに、修道士になることを決意。その夏から同じくエアフルトにあるアウグスティノ会修道院で、1511年まで修道士として暮らした。巡礼の場にもなっているこの修道院では、聖書や宗教改革をテーマにした展示が行われている。


東西交易の商人が行き交ったクレーマー橋

クレーマー橋

橋の上に家屋のあるクレーマー橋

マリア大聖堂やセヴェリ教会、そしてアウグスティノ会修道院と並び、エアフルトの大きな見どころとなっているのが、1325年に建造された長さ120メートルのクレーマー橋である。「商人の橋」を意味するこの橋は、ゲーラ川に架かるヨーロッパ最長の木組み家屋付き石橋で、通行を目的とする橋としての機能はもちろん、住居や商店が軒を連ねるショッピングストリートの役割を果たしている。

イタリアのフィレンツェに同様の商業橋があるが、ポンテ・ヴェッキオが最初に建造されたのは1218年(現存するものは1345年に再建)。一方、このクレーマー橋の起源は11世紀にまで遡ることから、ヨーロッパ最古の商業橋とも言える。橋にある建物の一部が資料館となっていて、食料などを貯蔵していた場所や部屋が見られる。窓は水車の音を軽減するため2重になっており、そこに使われている丸ガラスからも、この建造物の古さがとってみられる。

かつて商人たちが行き交ったこの橋には現在、アトリエや女子に嬉しいお洒落なショップが並んでいる。ここにあるゴールドハイム・ショコラーデン・マニュファクチュア(Goldhelm Schokoladen Manufaktur)は、エアフルトで話題の手作りチョコレートのお店。店内では箱詰めされたチョコレートボックスから粒単位まで、様々なフレーバーのチョコレートを取り扱っている。また、店内でホットチョコレートを味わうこともできる。チョコ好きにはたまらない濃厚な味わいで、甘さは自分で砂糖を入れて加減できるのが嬉しい。その他にも可愛らしい雑貨や陶器を売るお店、からくり人形の工房などもある。思わず時間を忘れて、色んなお店を覗きたくなる場所である。


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