ドイツが世界に誇る高速鉄道「ICE」で、自由に旅をカスタマイズ
快適空間が広がるICEの1等車
ドイツ各地をまんべんなく結んでいるドイツの鉄道網。しかも哲学を感じさせる洗練された設備に加え、ヨーロッパで最も優れた技術と快適性を備えた高速鉄道のICE(インターシティ・エクスプレス)が主要32都市に乗り入れており、そこを起点にすれば小さな町へも手軽に素早く移動することができる。
そのため鉄道を利用することで、旅の目的や滞在期間に応じた様々な旅がカスタマイズできる。しかも「ジャーマンレイルパス」を利用すれば、最高時速300キロで走るこのICEにも乗り放題というわけだ。
また、一部のICEには運転席後方に展望席があり、そこからは通常の座席とは異なる車窓が楽しめる他、子供向けコンパートメントには小さなプレイエリアが設けられている。車内のアナウンスもドイツ語と英語で対応。日本の新幹線のように次の停車駅も文字で電光表示されることから、ヨーロッパの鉄道旅行に不慣れな外国人であっても、不安を感じる要素はこれといって見当たらない。そう、日本にいるような感覚で利用すれば良いのだ。
ICEの1等車の利用客はベルリン、ハンブルク、ミュンヘンにあるDBラウンジが利用可能。このラウンジでは新聞や雑誌が閲覧できる他、ドリンクやインターネットアクセスの無料サービスを行っている。また、1等車の車内でもWi-Fiのサービスや、有料だがドリンクやスナックをオーダーして座席まで届けてもらうことができる。
日祝もOK!国鉄の中央駅でショッピング
ライプツィヒ中央駅にも商業施設が併設
新幹線が停車するJR東京駅や品川駅をはじめ、地下鉄の「Echika」など、首都圏を中心に近年日本でもその数が増え続けている駅構内の商業施設。実はドイツの主要駅でも同様の動きが見られ、各地の中央駅の構内には飲食店やスーパー、書店、薬局、衣料品やファッション・アイテムを取り扱うお店などが営業している。中には電子機器を取り扱っている店舗もあったりする。もちろん、ATMもある。
ドイツの街中にある店舗は平日でも夕方6時を回ると閉まりはじめ、カフェなどの飲食店を除き日曜と祝日は完全休業。もちろん、日本のような24時間営業のようなコンビニなど存在しない。ドイツのこの商売気のなさには、毎度のことながら驚かされる。
そうした中で重宝するのが、駅構内にあるショッピング施設だ。全てではないようだが、一部の店舗は日曜と祝日の営業が認められ、平日も朝8時頃から夜10時近くまで営業しているので、ちょっとした買い物にも便利である。
ドイツの駅構内はバリアフリー化され、ホーム階と商業施設のフロアを結ぶエスカレーターやエレベーターも完備されていることから、スーツケースを持ったままでもちょっとした買い物が楽しめる。
ドイツ鉄道ミニ情報
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券売機
ドイツ国鉄の駅構内やホームにある券売機です。この機械で乗車券(片道・往復)、ICEの座席予約などができます。日本語はありませんが多言語に対応。乗車券を購入する際には、出発駅と目的地を選んでから、画面に表示された金額を投入、もしくはクレジットカードも利用できます。
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乗車券の刻印機
レイルパスの利用時には必要ありませんが、窓口や券売機で乗車券を購入した場合には、乗車前に駅のホームにある機械に差し込んで刻印します。刻印する場所は指定されていますので、チケットの端にある刻印スペースの方を上に向けて差し込みます。検札の際に、この刻印がないと罰金が課せられますのでご注意下さい。
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ICE車両編成
利用するICEのホームを案内版でチェックしてホームへ移動すると、そこから発着するICEの車両編成の案内版があります。左から出発時刻、列車番号、曜日、停車駅、車両編成の順番に並んでいます。
まず乗車する列車番号と出発時刻を探します。同じ時刻と列車番号であっても、曜日によって編成が異なることもあります。また、間違った車両に乗ってしまって中で移動するにしても、次の駅に停車するまで移動でいないケースもありますので、必ず曜日まで確認しましょう。
予約をせず利用する場合は、利用できるのが1等車なのか2等車なのかを確認して、各等級へのドアから乗車します。あらかじめ座席を予約している場合は、その車両の停車位置へと移動します。停車位置は案内版にあるアルファベットを見て、ホームにある乗車ポイントに移動します。
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列車遅延案内
列車が遅延する時にはアナウンスだけでなく、ホームにある電工表示板に白抜き文字で独語と英語で表示されます。アナウンスで「シュペーター」という言葉が聞こえたら、電光板をチェックしてみましょう!
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座席予約区間表示
以前はコンパートメントの入口や座席横に、座席予約が入っている区間がかかれたスリップを車掌さんが手差しで入れていましたが、電子化されたICEではこのように表示されます。座席の予約をせずに乗車した場合、ここにある表示区間以外、もしくは何も表示されていなければ座ることができます。
但し、直前に予約が入る場合もありますので、停車駅を出発したら一度目を向けて新しい予約が入っていないか確認しておくと良いでしょう。予約した人が来た場合はそちらが優先となりますので、速やかに別の空いている座席に移動しましょう。
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ICEのサービス
ICEの1等車ではワゴンでの販売サービスではなく、ドリンクやフードを座席にまで運んでもらえるサービスがあります。合間を見計らって、ビュッフェのスタッフが御用聞きに訪れますので、必要な時は近くを通った時に声を掛けます。メニューは座席にあります。その他、HotSpot のWi-Fiサービスなども利用できます。
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乗り継ぎ案内
ドイツでは、日本とほぼ同じ感覚で鉄道を利用できます。駅によっては、写真のような近郊線や地下鉄との接続が、分かり易く電工表示されています。写真は、ライプツィヒ中央駅の地下鉄出口にある電工表示板です。
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ICEの1等車
ICEの1等車の座席は革張りです。配置は個々のスタイルに応じて一人がけ、横に二人がけ、テーブルを挟んで向かい合う四人がけ、パーティションで仕切られたタイプなどがあります。また、ICEには携帯電話の使用や、大きな声での私語が禁じられたサイレント車両もあります。スーツケースなど大きな荷物置き場は、出入口のすぐ横にあります。
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