夜景の魅力

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 それはそれとして、香港は目まぐるしく変化している。
大きなプロジェクトである新空港建設と、それにともなう新しい交通アクセスの開設、港湾の再開発などがどんどん進抄している。これらが新しいビル建設と相まって恐ろしいスピードで香港の外観を変えている。大袈裟にいえば、半年のスパンで変化しているようにさえ見える。

 実はこれが同時に香港の夜景をも変えているのである。光の数を増やし、夜景の構図を変えている。香港は『100万ドルの夜景』の景観を少しずつ変えながら年々育ち続けているといえる。去年より今年、今年よりも来年と、香港の夜景のスケールは年を重ねるにつれ大きくなりながらより、魅力的になっているのである。

 チェック・ラップ・コックの新国際空港完成後、ビクトリア・ハーバー沿いの大開発の一環として、今までのカイタック空港の跡地に香港の副都心ともいえる高層ビル街が出現する筈である。香港の夜景に新たな光模様が生まれ、ビクトリア・ピークからの夜景の眺めも、さらに一段と輝きのスケールを拡大することであろう。

 香港の夜景は、理想的な『観覧席』をもっているというメリットもさることながら、他にはない目を見張るような華やかさで観光客を楽しませてくれる。しかし、観光客を呼び寄せる誘致力という視点から見た場合、「夜景」だけで観光客をひきつけ続けることには無理がある。

 現在、イメージ的に、香港観光の魅力の核となっているものには、グルメ天国、ショッピング・パラダイスに、この夜景がある。この他にも、後にふれる、一口ではいえない、多彩な、不思議な魅力なるものもある。しかし、一般的にいって、香港を訪れる観光客が心に抱く「旅行目的」のメインは何といってもショッピングとグルメである。

 夜景は、香港観光の魅力を倍増させる脇役として存在しているに過ぎない。いかに香港の夜景が素晴らしくても、夜景を見ることだけを目的にして香港にやってくる人は先ずいない。クリスマスなどでの香港ならではの素晴らしい夜景は、時節的な誘致力の高まりを見せるが、それでも、年間を通じて夜景だけを楽しんで帰る観光客は、統計的には取るに足らない数の筈で、香港観光を売る側としては、その誘致を「夜景」だけに依存することはできないのである。

 とはいえ、「夜景」は観光誘致の主役にはなりえなくても、中国返還後も香港観光の魅力を引き立てる素晴らしい脇役として輝き続けることであろう。



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